マグネット…磁石と言えば、家庭では冷蔵庫のドアなどに紙のメモなんかを留めるモノというイメージがある。が、実は、電子デバイスのセンサーやアクチュエーター(駆動装置)などにも使われていて、家電やクルマ、医療機器にロボット、宇宙ロケットに至るまで、磁石なしのものを探すのに苦労するほど。最先端テクノロジーには、なくてはならない“すごいヤツ”なのだ。
そんな磁石を一生懸命に研究しているアメリカのメリーランド大学とテンプル大学の合同チームが、従来の磁石とは特性が全く違う『非ジュール磁石』を発見。しかも、その磁石を使えば、より小型で省エネの“次世代デバイス”の生産が可能だという。
■ 175年前の定説がひっくり返った!
なぜ、この新しい磁石で“次世代デバイス”ができるのか?
それを理解するには、まず、そもそも磁石はなぜ電子デバイスなどに使われるかを知る必要がある。少々難しいが、できるだけかみ砕いてお話するのでお付き合いを。
磁石……磁性体は、磁場に入った時に、その“容積を変えずに”形状が変化するという特性がある。今から175年前、1841年にイギリスの物理学者ジュールが発見したもので、磁歪とか、磁気ジュール現象などと呼ばれている。また、逆に、磁性体に圧力をかけると、磁化が変化して発電するという『ピラリ効果』という特性も知られている。
これらの特性を利用することで、単純なリレーから魚群探知機の振動子、センサーなど様々な用途に応用されているのが『磁石』なのだ。
ところが、今回発見された『非ジュール磁石』は、磁場に入って形状が変わる際に“容積が増える”という。また、少ない熱量で形状変更することも判明。今まで、定説とされてきたジュールの発見が、根本からひっくり返ったのだ。
■ レアアースに代わる高効率な素材
開発チームが作ったこの磁石のレシピは、要約すると次の通り。