人間の死体のニオイをじっくりと嗅いだことがあるだろうか?嗅いだ人の話によるとちょっと甘ったるく、何とも言えない腐敗臭だそうで、一度嗅いだらすぐには忘れられないという。
死のニオイは、400種類以上の揮発性有機物が複雑に混ざり合ったものだという。これは、生き物の体の組織をガスと塩分に分解するバクテリアの活動によって生産される。
死体のニオイはそれぞれ少しずつ違い、濃度も変化する
この混合ガスの正確な成分配合は、腐敗のプロセスによって変わってくる。遺体の体内やまわりにいるバクテリアの数やバクテリア同士の相互作用、まわりの気候、それほど影響がないにせよ、死者自身の遺伝子的性質や食習慣などによっても少しづつ違ってくる。
放出されるニオイの成分はさまざまだが、コアな成分の濃度も常に変わる可能性はある。そうだとすると、遺体から発生するにおいの正確な成分分析は、犯罪捜査にあたる法医学者がより正確に死亡時刻を割り出す助けになるだろう。
死臭を分析する技術:ガスクロマトグラフィー
科学者たちは、一般的にガスクロマトグラフィーという技術を使って、死臭を分析する。これは、混合物を成分ごとに分離して、それぞれの濃度を特定することができる。
腐敗臭のおもな成分
腐敗臭のおもな成分は、カダベリンとプトレシンという分子で、ほとんどの動物が逃げ出すほどの悪臭の原因だ。1885年にドイツ人医師ルードウィッヒ・ブリーガーによって初めて発見され、アミノ酸のリシンとメチオニンがそれぞれ分解するときに発生する。数年前には研究者たちが、ゼブラフィッシュの体内でカダベリンの受容体をつきとめた。