「ご褒美をしつけに使うのは良くない」と専門家や教育者は口を揃えて言っていますよね。でも、小さな子どもをしつけるのって大変です。あまり良くないことだと思いつつも、実際はご褒美をあげているママが多いのではないでしょうか?
今日は『グローバル社会に生きる子どものための-6歳までに身に付けさせたい-しつけと習慣』の著者で、日本と欧米の優れた点を取り入れたしつけを提唱している平川裕貴が、子どもをご褒美で吊ることの是非についてお話します。
■なぜご褒美を使ってはいけないのか?
ちょうど1年ほど前は“しつけや勉強にご褒美を使ってはいけない”という考え方が多数を占めていたように感じます。多くの教育者や専門家が口を揃えて「ダメ」という理由は“ご褒美自体が目的になってしまうから”というもの。でも、筆者はこの理由に疑問を持っています。
なぜ、大人の社会でも成功報酬やボーナスなどインセンティブが与えられているのに、子どもにはご褒美を与えてはいけないのでしょうか。
物事の分別がつくようになった大人は、仕事の社会的意義や必要性を十分理解できるはずですから、本来は仕事を頑張ったご褒美としてのインセンティブなど必要ないはずです。それなのに、まだロクに言葉も理解できない小さな子どもに、指示や説得や説教や命令だけで行動に移させようだなんて、 ちょっと無理があるように筆者は思います。
■子どもはご褒美で釣ったほうが良い!?
教育経済学者・中室牧子さんの『「学力」の経済学』によると、経済学では“人々がインセンティブにどう反応するか”に対して科学的根拠に基づく答えを持っているんだそうです。
経済学には“教育の収益率”という概念があります。これは、1年間追加で教育を受けたことによって、その子どもの将来の収入がどれくらい高くなるかを数字で表したものなのですが、教育の収益率は株や債券などの金融資産に投資した時と比べても高いことが多くの研究で示されているそうです。
この“教育の収益率”の考え方は、難しいデータを示されなくても、感覚的にわかるような気がしますよね。ですから、お金や時間をかけて一生懸命勉強しようと思うわけです。