緑内障のような、眼内圧の異常による疾患は、最悪の場合、失明につながるにもかかわらず、長期的に有効な治療法が存在しなかったという。しかし、ドイツの各地に研究機関を持つ『フラウンホーファー研究機構』が眼内圧を一定に保つための埋め込み式の超小型ポンプを発表した。
■ 現在の治療法は患者の負担も大きい
緑内障や眼球癆は決定的な治療法がない進行性の目の病気だ。緑内障は眼内液の発散・放出がうまくいかなくなり、それによって眼内圧が上がってしまう。また眼球癆は目のガラス体液がうまく生成されなくなることによって、眼球が縮んでいってしまう。いずれの病気も視力への障害が起き、失明につながる恐れが生じる。
現在の対処法は、その進行を遅らせるものであって、限られた期間しか有効性を発揮しない。またそのほかにも問題がある。
たとえば緑内障の場合は、外科手術によって人工的に眼球内の液を放出させる方法をとるなどする。ただし、4人にひとりは眼内液の放出をさまたげる傷ができてしまい、狙った効果をあげられないという。いっぽう眼球癆のケースでは、定期的に眼球内に液体の薬剤を注射することになる。失明を避けるためとはいえ、患者には負担の大きい処置法だ。
■ ポンプを目に設置する
しかし、『フラウンフォーファー研究機構』の研究者たちは、それらの目の病気に対して、継続するストレスを与えず、それでいてより長い期間視力を保つことができ、うまくいけば失明を完全に避けることができ来る方法を開発した。
それが、埋め込み式のマイクロポンプシステムだ。それは眼球に直接設置されるが、「患者はそれを感じとることはないし、眼球の動きが制限されることもありません」と研究者のひとりジェンケ氏は話す。
使用するのは、1秒あたり30マイクロリットルを送り出す能力を持つ、生体に害のないシリコン製のマイクロポンプだ。病気の種類に応じて、そのポンプが眼球に液を供給したり、あるいは放出させたりするようにして使用する。その液の供給・排出のための通路は、目にもともと備わっているものを利用するので、傷を形成するようなことはない。
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