江戸時代後期〜明治時代にかけて活躍した浮世絵師 月岡芳年(つきおかよしとし)。歌川国芳に師事していたのでJapaaanでも取り分け紹介することの多い河鍋暁斎(かわなべきょうさい)とは兄弟弟子の関係にありました。
月岡芳年の代表作品といえば月のある風景をシリーズもので描いた「月百姿」。そして芳年は目を覆いたくなるような強烈な無残絵も手がけていました。
月岡芳年「月百姿 史家村月夜」
そして今回紹介するのは簡略化された線で描かれた「芳年略画」。歴史的にも有名な物語の場面を中心に、芳年ならではのユーモアなタッチでシンプルに描かれた作品です。略画といっても月岡芳年のその画力は十二分に味わえる作品たち。
芳年略画の題材となったのは桃太郎や金太郎、孫悟空など現在でもおなじみの物語も数多く、さらには浮世絵には珍しい電線・電柱が作品の中に描き込まれたものまで、とても興味深い作品のオンパレードなのです。
今回は芳年略画の中からとってもキャッチーな作品をいくつか紹介します。
月岡芳年 「芳年略画 天狗之世界」
天狗が2匹、空中で鼻を突き合わせています。