東京の夏は気温の高さもさることながら湿気も多い。なんとかこの湿気を役立てられるものはないのか、と以前から思っていたのだが、多少は役立てられるものが考案されているようだ。
自転車に装着し、空気中の水分を集めて飲み水にしてしまうというデバイスである。オーストリアのデザイナーKristof Retezár氏が考案し、2014年のジェームズ・ダイソン・アワードにノミネートされたものだ。
■ サイクリング中の水分補給に?
国連の調べでは、現在40を超える国において合計20億人が水不足に直面していて、2030年には世界人口の47%が水不足のエリアに居住することになるという。
いっぽうで、空気中から水分を集めるという試みは、2000年以上前から行われてきた。Retezár氏はそれをふまえて、コンパクトで自己完結できる装置で空気中からボトルに水を集めることを目指して開発したという。
「Fontus」と名づけられたこのデバイスは、自転車用のアクセサリーであるところがユニークだ。長距離の自転車移動に便利なのである。高温多湿の地域であれば、1時間に0.5Lもの水を集めることが可能だ。
■ 走れば走るほど水が集められる
この装置の仕組みを説明しよう。まず重要なのはペルシェ素子(Peltier Element)と呼ばれる小さなクーラーだ。このクーラーは2分割の構成になっている。電気を使って作動させると、クーラーの上側が冷えて、下側は熱くなる。熱くなった下側を冷やしてやれば、上側はより冷えるようになっている。