丹精を込めてつくった農作物を食い荒らす動物たちに、頭を悩ます農家は多い。そんな害獣の中でも、学習能力の高い「サル」は農家にとって天敵といえる存在だ。
群れで畑にやってきては、作物のいちばん美味しいところだけを大量に食べ、食べカスは放置。電気柵やネットといった仕掛けも、易々と突破される。このように、人間のとった対策が効きにくいサルによる農家への被害は甚大で、農林水産省の調査によれば、2014年度の被害総額は全国で13億円以上にのぼる。
モンキードッグ。画像は農林水産省ウェブサイトより
しかしいま、そんなサル被害を防止する救世主として「モンキードッグ」が、全国の農家で活躍を始めている。
ことわざもきっかけ?「モンキードッグ」誕生の瞬間「モンキードッグ」とは、野生のサルを畑や住宅地から追い払う特別な訓練を受けた犬のこと。その運用方法は自治体によって異なるが、基本的には個々の農家が自分の畑を守るために利用する場合が多いという。そのため、地域住民の飼い犬を利用するのが一般的。中型犬以上であれば、犬種を問わずモンキードッグになることができるそうだ。
農林水産省の調べによると、2013年度までに25都道府県71市町村で、計360頭のモンキードッグが運用されている。そのなかでも、自治体自身がモンキードッグを飼育・運用する青森県むつ市では、サルによる農作物被害が導入前に比べおよそ10分の1にまで減少するなど、とくに大きな成果をあげているそうだ。
全国各地でモンキードッグが活躍。