【終戦の日】靖国神社で激突「売国奴」「天皇制やめろ」怒号渦巻く (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

 静かで美しい。8月15日だからこそ、粛々と頭を垂れる、そういう行進が似つかわしい。
その30分後、急にあたりがざわめき始めた。警備をしていた機動隊に加え、さらに新しい人員が路上に展開、柵で歩道と車道を遮断し始めた。

   反天連=反天皇制運動連絡会のデモが来るのだ。保守と右翼が集まっている終戦記念日の靖国神社で極左がデモをするのだ。警察も警備が大変である。隣りの中年男性がいきなり怒鳴った。

「おめえら、どっちの味方だ? 通せよ、このやろう、怖いのか?」

 警察と保守や右翼は仲が良いと思っていたのだが、そうでもないらしい。右からも左からもいじめられて、警察は大変である。

反天連のデモ。スピーカーの音がうるさくて何を言ってるのか聞き取れない

 やがて反天連が現れると、ものすごい怒号が沿道からデモ隊に叩きつけられた。デモ隊と言っても、安保反対の青年たちとは違い、反天連の人たちは中高年が多い。そういう白髪交じりの人たちに「かえれ!」「売国奴!」「息するな!」とヤジがひどいひどい。反天連も反天連で「戦争をやめろ!」「天皇をやめろ!」とよくわからないことを言っているので、どっちもどっちなのだが。

警察の制止をものともせず、柵を超えようとする右翼中年たち

 日の丸を背中に縫い込んだ、血気盛んな青年……もとい、おじさんが柵をよじ登ろうとして機動隊に押さえつけられている。

「なんであんな連中の味方をするんだよ!」

 味方とか味方じゃないとか、そういうことじゃないだろうと思う。絵に描いたような右翼の人たちが怒鳴りまくっていて、プロレスっぽい。マイクでがなりまくる上に、柵がリングアウトで場外乱闘という感じなのだ。

 右翼は昔ながらの怖くて粗暴な人たちというイメージ通りで、反天連も昔ながらの小理屈っぽい左翼で、その2つが沿道でにらみ合い、間で困っている警察官。何だか面白いことになっていたのだった。また隣りで中年男が怒鳴る。

「ポリ公、なんとか言え、こら! だからお前ら、公務員にしかなれねえんだよ!」

 言ってることはまるで酔っ払いである。思い込みが激しすぎると、みんな酔っ払いみたいになっちゃうんだな。

 ホント、警察のみなさん、ご苦労様でした。

(取材・文/川口友万)

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