ワンちゃんにも発症する「エリテマトーデス(紅斑性狼瘡)」ってどんな病気?
人はもちろん、犬にも発症する「エリテマトーデス」という病気をご存知ですか? 今回は、このあまり聞きなれない病気の症状や治療法について、獣医師に解説してもらいました。
「エリテマトーデス」には2種類ある 犬のエリテマトーデスは2種類あります。
1つは、全身にさまざまな症状がでる「全身性エリテマトーデス」。そしてもう1つは、皮膚だけに症状がでる「円板状エリテマトーデス」です。どちらのタイプも、自分の細胞の核を異物とみなしてしまうことで、これに対する抗体を作り出してしまう免疫異常です。
シェットランドシープドッグやジャーマンシェパードドッグなどの犬種にかかりやすく、その7割がメスで、発症平均年齢は5歳といわれています。
「全身性エリテマトーデス」の症状は? 抗原抗体反応がどこで起きるかによって違いますが、以下のような症状がでます。
・多発性関節炎
(手足の関節、顎の関節、背骨の関節など)
・熱が出たり、下がったりを繰り返す間欠熱
・尿と一緒にたんぱく質が出る
・貧血
・リンパ節が大きくなる
・皮膚が紅くなり(紅斑)、脱毛する
・顔回りや口の中に水疱ができ、これが膿疱やかさぶたになる
・鼻の色素が薄くなる
・肉球に潰瘍ができる
・爪の回りが化膿する
「円板状エリテマトーデス」の症状は? 症状は主に鼻と耳にでます。また、全身性エリテマトーデスと同じような水疱や膿疱、かさぶたができます。痒みや痛みは出たり、出なかったりします。
どのように検査・診断されるの? 診断は特徴的な臨床症状と併せて、白血球の状態や貧血は起きていないかを、クームス試験や抗核抗体検査、尿検査など広範囲に検査して行います。また、皮膚の一部を切り取って顕微鏡で細胞の状態を観察します。
日光を浴びたり、細菌などに感染したり、妊娠や怪我、手術をするなど、症状を悪化させることは避けるようにします。
【獣医師からのアドバイス】 治療は、免疫の働きを抑えて炎症をとめる薬を飲みます。導入期、維持期、支持期と3期間に分けて治療をするため、とても長い時間がかかります。長く投薬していると胃腸障害を起こしたり、免疫を抑える作用の薬のため感染症にかかりやすくなるため、必ず獣医師の指示通りに投薬しましょう。
予後は発症した場所や症状の程度によって異なりますが、軽い円板状エリテマトーデスの場合、日焼け止めと軟膏を塗ることで管理することができます。