【アニメ漫画キャラの魅力】大金持ちなのに結構いい奴!キザの代名詞「花輪和彦」の魅力とは?『ちびまる子ちゃん』

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 いまや国民的アニメである『ちびまる子ちゃん』。個性的なクラスメート達の中、特に異彩を放つ存在、それが「花輪和彦」です。クラスメートの中で、両親を「パパ」「ママ」と呼ぶのは彼くらいでしょう。それも道理、彼の家は大金持ちであり、使用人が数多く働く豪邸に住み、学校の送り迎えは執事である「ひでじい」がロールスロイスでおこなうという、非日常的なまでの金持ちっぷりです。同じく国民的にアニメである『ドラえもん』では、「スネ夫」という金持ちを鼻にかけるイヤミな役どころになるのですが、彼はそれとは全く違う路線を歩んでいます。


【※一部、ネタバレの内容を含む可能性が御座います。ご注意下さい。】


■クラスメートを圧倒するそのスペック

 このアニメの時代設定である昭和40年台、「いいとこの子」は皆、習い事をしていました。その頂点とも言えるのがバイオリンですが、花輪くんは月曜バイオリン、火曜ピアノ、水曜フランス語、木曜インド哲学、金曜お茶とお花、土曜には英会話と、習い事だけで「一週間の歌」ができそうなほど。それに加えて語学堪能、学業優秀、スポーツ万能、護身術まで身につけており、クラスメートの危機を救ったこともあります。

 これほどまでにカリカチュア化された「お坊ちゃん」であり、その恵まれた環境を「まる子」が羨むことも多いのですが、余りに隔絶しているので、「しかたないね、花輪くんみたいになろうったって、所詮ムリだよ」とあきらめざるを得ません。

■彼の真価は精神面の豊かさ

 ここまで周囲よりアドバンテージがあっても、決して彼がクラスメートから嫌われないのは、彼のその人柄ゆえでしょう。誰にでも広い心で鷹揚に接し、自分と異なる考えや価値観に出会っても、それを拒むのではなく自分なりに説明をつけることで吸収してしまいます。気前が良く見えるのも、彼が大金持ちゆえ一般とスケールが違うだけで、普通の子供が友達にお菓子を分けてあげるのと同じ感覚なのでしょう。彼の気前の良さには「優越感」が感じられず、それゆえクラスメートたちは素直に喜びこそすれ、反感を持つものはいないのでしょう。

■彼の別け隔てなさが浮き彫りにする「格差」

 面白いのは、彼のこういった態度が一面で「格差」を浮き彫りにしていることです。花輪くんの「ダークサイド」とも言えるのが「丸尾君」でしょう。ガリガリの努力をして良い成績を納め、自分の価値観を他者に強要しては煙たがられ、自分が学級委員長になりたいがゆえに他者もそうだと信じて疑わないその姿は、コミカルなオブラートにでも包まないと正視に耐えない悲愴さです。しかし、財力による教育で多様な価値観を持つことができ、上昇志向を保つ必要のない花輪くんに対し、母親の期待を背に、丸尾君は何かを必死につかんで上昇しなければならないのです。花輪くんが「一般の」子に分け隔てなく接するほど、この「格差」は深い深淵となって口を開けるのです。


【原稿作成時期の都合により、内容や表現が古い場合も御座いますがご了承下さい】


★記者:ルーデル(キャラペディア公式ライター)

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