インドネシア発「軍用射撃ロボ」を 大学生が開発 (2/3ページ)

FUTURUS

だが、この「発明」に対するTNIのコメントは、今のところない。


■ 軍からの需要はあるのか

筆者はごく短期間だったが、陸上自衛隊にいた。従って、このロボットが果たして軍での任務をこなせるかということについて多少ながら推測することができる。

結論から言えば、TNIはアシュマドに声をかけないだろうと筆者は考えている。

世間一般の人は、「狙撃手」というものについて誤解をしている。自分の今いる位置からから1ミリたりとも動かず、数百メートル先の敵兵をただただ射殺する。一大学生のアシュマドも含め、兵役経験のない人はそんなイメージを持っているはずだ。

それは違う。狙撃手の第一条件は射撃の腕ではなく、数十キログラムの装備を背負った状態で何日でも歩き続けられる脚力だ。第二次世界大戦の独ソ戦で活躍したソ連軍の狙撃手ワシーリー・ザイツェフは、男1人がやっと入れる幅の下水道管を何時間も這って進んだ。実際の戦場では、こうした機動力がまず求められる。もっとも、これは狙撃手でなくとも同じだ。ナポレオンはかつて、「我がフランス軍の勝利は、ひとえに兵士たちの脚がもたらした」と語っている。戦争では個々の脚力がモノを言うのだ。

だから、移動能力のない射殺ロボの需要など軍にはない。「だったらタイヤかキャタピラを付ければいい」という反論も無用だ。匍匐前進や急斜面を駆け登る動作など、人間にできてロボットできないことはまだまだたくさんある。そもそも、アシュマドのロボットに取り付けた狙撃銃がボルトアクション式のものだったら、一発撃ったら誰がボルトを聞けばいいのかというツッコミもできる。

600万ルピアの成果は、無駄になりそうだ。


■ 新興国と最先端テクノロジー

だが、アシュマドのロボットは違った角度から「最先端テクノロジーの進化」を考えさせる、いい材料になった。

我々日本人は頭のどこかで「テクノロジーは先進国だけのもの」と考えている節がある。だが、現実には新興国の大学生がロボット開発に取り組んでいる。

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