連載小説を同時に5本……人気作家の生活――馳星周インタビュー(2) (2/2ページ)

新刊JP



馳:いえ、自分でもこんなラストになったかと驚いたくらいです(笑)。
基本的に僕はきっちりプロットに沿って進むタイプじゃなくて、書きながら先のストーリーを考えていきます。今回の小説は週刊誌で連載していたということもあって「こう書いておけば後の伏線になるかな」くらいの感じで書いていたんですけど、最後でうまくまとまりました。

――まとまらないこともあるんですか?

馳:そういう時は連載が終わって書籍化する段階で直します。大体は回収できなかった伏線ごと消すとか。

――週刊誌連載で先の展開を準備せずに、書きながら考えるというのはかなり綱渡りなんじゃないかという気がします。

馳:そんなこともないですよ(笑)。「サンデー毎日」で今回の『アンタッチャブル』を連載しながら、別の作品も並行して書いていたんですけど、毎週の15枚ずつ原稿を仕上げて担当編集者に渡した瞬間に頭が別の小説の方に切り替わって、また締切が近づくと『アンタッチャブル』に戻る。目の前の原稿に向かっている時だけしかその小説のことは考えないんです。その時に書きながら先の展開を考えるという感じですね。

――ちなみに、同時に何本くらいの小説を進められるものなんですか?

馳:一番多かったのは5本です。週刊誌連載4本と新聞連載1本でした。新聞連載は月曜から金曜まで毎日締切があるんですけど、ある日原稿を渡したら編集者から電話がかかってきて「今まで出てきたことがない登場人物が突然出てきた」と(笑)。別の小説の登場人物をまちがって書いてしまったわけです。さすがにその状態は続かなくて、1年くらいで肺炎になって倒れましたね。30代だったからできたことだと思います。

第3回「俺一人で日本のノワール小説を背負ってるんだ、くらいの覚悟で書いていた」につづく
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