「3Dプリンター製の殻」で暮らすオシャレな次世代ヤドカリ (2/3ページ)
初めて自分の作った「やど」に移ったヤドカリを発見した時は、「嬉しいような悲しいような複雑な気持ちになった」と振り返っている。

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■ 生き物との協働作業によって成立する作品
作品シリーズについては、同じ土地で平和に国が入れ変わっている事実と、背負う“やど”によって見た目が変わるヤドカリに共通項を感じたとも語っている彼女。私たちを取り巻く日常とは異なったレベルから“人間世界”を見渡す、このようなオリジナルな視座はどこからもたらされているのだろうか。
東京で不自由なく生まれ育つ一方で、自分の存在の不確かさな感覚を持ち続けてきたというINOMATA。ステートメントでは、自らの問題意識について「この劇場化した都市を破り、<私たち>と、<私たち>の外の世界とを混ぜ合わせることで、不確かな存在となった自己を再発見し、欠落したリアリティーを取り戻すことが出来るのではないだろうか」とつづっている。
そして自らの作品が持つ力を次のように謳い上げている。
私の作品は、生き物との協働作業によって、成立している。人間以外の生き物のふるまいと、人間の世界を重ねあわせることで、私たちを異なった角度から捉え直し、私たち自身の姿を再発見しようとしているのだ。(中略)この試みは、閉塞した私たちの世界に風穴をあけ、大都市を徘徊する虚ろな現代人にとっての新たなリアリティーの創出につながると、私は信じている。