北朝鮮国内「準戦時状態」下でも変わらず平穏…プロパガンダに冷淡な人々
連日連夜続けられてきた南北長官会議が25日未明、合意に達した。合意に伴い解除されたものの、北朝鮮は「準戦時状態」を宣言して、国内で戦争の雰囲気を高めるプロパガンダを繰り返してきた。
しかし、それに対して北朝鮮の住民たちは冷めた反応を示し、前線に近い地域を除けば平穏そのものだったとデイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。
中朝国境に面した両江道（リャンガンド）に住むこの情報筋は、準戦時状態が宣言されたので全国的に避難訓練が行われると思っていたが、人民班会議も組織別会議も行われず、極めて平穏だったと伝えている。あまりの平穏さを訝しむ人々もいたという。
咸鏡北道（ハムギョンブクト）の内部情報筋も、北朝鮮と中国の貿易は通常通り行われており、輸出品を積んだバスやトラックの数は普段より多いほどだったと伝えている。
「今すぐにでも戦争が起きそう」と伝えているテレビに対して貿易業者たちは一様に冷淡な反応を示し、当初は心配していた一般住民の間でも「あんなものはすぐに終わる」と言う人が徐々に増えていると伝えた。
一方、前線に近い地域では緊張状態が続いていた。前述の情報筋は江原道（カンウォンド）在住の親戚の話として「毎日のように避難訓練が行われ、軍人も大勢やってきている。大変なことが起こるのではないかと心配している」と伝えた。
