ぶつぶつが怖い。穴が密集している状態を極端に恐れる「トライポフォビア」の正体とは?(英研究)※閲覧注意

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ぶつぶつが怖い。穴が密集している状態を極端に恐れる「トライポフォビア」の正体とは?(英研究)※閲覧注意
ぶつぶつが怖い。穴が密集している状態を極端に恐れる「トライポフォビア」の正体とは?(英研究)※閲覧注意


 無害であるはずの蓮の花托(かたく)を見るとゾワゾワして鳥肌が立ってしまう人は大勢いるだろう。理屈抜きにして体が過剰反応してしまう。いったいこのぞわぞわ感はどこからきているのであろう?


・人によって程度が違うトライポフォビア

 その程度は人により様々で、自然界に存在する蓮の実すらもダメ。煮詰めた牛乳の表面すらもダメな人もいる。

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 こうした画像が苦手な人はどこかおかしいのだろうか?

  穴やブツブツの集合に強い嫌悪感を感じ、極端に恐れる症状は「トライポフォビア(Trypophobia)」と呼ばれている。これは医学的な名称ではなく、『精神障害の診断と統計マニュアル』にも記載されていない。 

・トライポフォビアの語源と不気味さの正体

 トライポフォビアという用語は、2005年にあるアイルランド人の女性が、ギリシア語の「trypo(穴あけ)」と英語の「phobia(恐怖症)」を組み合わせて作った造語だ。

 海外では2009年頃からネット上でよく見られるようになり、今ではゾワゾワくる穴だらけの写真が大量に公開されている。日本では「蓮コラ」と呼ばれ十数年前から注目されていた。

 こうした穴の集合がもたらす気色悪さは理解できる。皮膚移植が必要そうな酷い怪我や寄生虫などの侵襲、あるいは痛ましい病気を想起させるのだ。命取りになるかもしれない健康被害への恐怖を感じさせると言えば、分かりやすいだろう。

 だが、パンケーキの生地の穴ですらダメなのはなぜだろうか?

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・疫病や危険に対する本能的な恐怖によるもの?

 この現象に関する小規模の研究は、害をもたらす危険な物体が無害な物体に転写されたことから感じる本能的な恐怖であると示唆している。これは『サイコロジカル・サイエンス』誌に掲載された、英エセックス大学のジェフ・コール博士とアレン・ウィルキンズ博士による研究だ。

 彼らは、トライポフォビアを起こす76枚の画像でスペクトル解析を実施し、嫌悪感を感じさせない穴の画像76枚と比較した。その結果、トライポフォビア画像は、特定の空間分布における高コントラスト色という、典型的なスペクトル組成を持つことが判明した。

 両博士によれば、自然界の危険な動物も同じような見た目を持つことが多いという。トライポフォビアの人がそうした関連性を意識することはないが、危険な生物の基本的な視覚的特徴を想起させることが部分的な要因であるそうだ。猛毒を持つヒョウモンダコがそうした一例だろう。

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・男性は10人に1人、女性は5人に1人がトライポフォビア

 本研究では、18~55歳の男性91名と女性195名に蓮の花托の写真を提示した。そのうち、男性11%と女性18%が「落ち着かない、あるいは見るに堪えない」と回答している。

 トライポフォビアが不安、プライミング効果(先行する刺激の処理が後続の刺激処理を促進/抑止する効果)、条件付けの単なる組み合わせではないという説に懐疑的な学者もいる。

 しかし、コール博士とウィルキンズ博士のその後の研究で、トライポフォビア反応が不安とは相関していないことが示唆されている。

 また、トライポフォビア的気色悪さを覚える画像は、必ずしも有機物ではない。例えば、石鹸の泡や岩に開いた穴もよく知られた例だ。下の画像はゾクゾクくるアルミの泡である。

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via:mentalfloss・原文翻訳:hiroching
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