KADOKAWA川上量生対談でドワンゴの技術者の扱いがいろいろアレだと騒ぎに|やまもといちろうコラム (2/2ページ)
これは、川上さんがTwitterで「正直な話、知らないですね」と、組織の末端のことなど知らんというようなテイストの反応をしているのと同様に、恐らくは経営者として組織がやっていることを、あまりちゃんと知らないからそういう不思議な事態を放置しているんだろうなあと感じるところもあります。または、知っていて、知っているとは言えずにとぼけているのかもしれませんけれども。
いずれにせよ、旧角川も旧ドワンゴも業界内ではとびきりの変わった経営者と不思議な組織で経営されてきた組織同士であり、それが合併しているわけなので、外部から見て訳が分からんのも仕方ないのかもしれません。出版の世界では良くあることなのでしょうが、一般論として、不採算に陥った媒体を止める際に、連載していた作家を切るのと一緒に担当していた編集者も退職に追い込むのは日常的です。業界を古くから見ていた人たちからすれば、KADOKAWAの中での椅子取りゲームは熾烈を極めているのでしょう。
対談としてはさほど面白みがない一方、このようにして企業経営上の課題が浮き彫りになったりもするわけでして、同じ事象でも立場によって見え方がこうも違うというのはとても勉強になったのであります。
まあ、私のおります楽天イーグルスも、面倒はたくさん発生してて胃が重いのは事実なんですけどね。
著者プロフィール
ブロガー/個人投資家
やまもといちろう
慶應義塾大学卒業。会社経営の傍ら、作家、ブロガーとしても活躍。著書に『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』(宝島社新書)など多数
公式サイト/やまもといちろうBLOG(ブログ)