【冴え女シリーズ(5)】[私のハートもスウィーツに♪]5話(前半)「お味はいかがですか?」 (2/3ページ)
題して“ルペッロアラジャポネーゼ”!」
美奈「舌噛みそうな名前ですね……」
卯月「……おそらく、松田さんに却下されて“新茶のオペラ”とかになると思うんですけど、」
美奈「あはは」
卯月「お味はいかがですか?」
美奈「美味しいです―――すごく」
卯月「間のこしあんペーストとクラッシュした栗の甘露煮が効いてるでしょう?僕の自信作なんです!」
美奈「見た目も素敵だし、おじいちゃんおばあちゃんにも好まれそうですね」
卯月「わぁい!がんばったかいがありました!」
美奈「わぁいって」
卯月「えへへ。この淡い緑色を長時間保てるお茶をわざわざ作ってもらって、ようやく完成したんですよ」
美奈「緑色を?」
卯月「抹茶って、加熱したり光が当たったりすると、実は色があせちゃうんです。色があせないものは、たいていクロレラが入っている。でも、クロレラの品質ってピンキリで……あまり僕は使いたくなくて」
美奈「へぇ……」
卯月「でも今回、クロレラを使わずに色素を安定させる方法をお茶屋さんが考えてくれたから……あぁ、ごめんなさい!」
美奈「え?」
卯月「僕、お菓子の話を始めると止まらなくなってしまって……退屈ですよね」
美奈「そんなこと!……楽しんで聞いてます」
卯月「そう言って頂けると嬉しいです。