【熊谷6人殺害事件】埼玉県警の不祥事が止まらないワケ

デイリーニュースオンライン

写真はasesinos-en-serie.comより
写真はasesinos-en-serie.comより

 埼玉県熊谷市で9月14日から16日にかけて住民ら6人が次々と襲われ、死亡した事件の余波が収まらない。

 逮捕されたのは、来日10年目のペルー人で、住所・職業ともに不詳のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン容疑者(30)。25人の命を奪ったとされる「殺人鬼」を兄に持つと報じられ、事件の異様さとともに、血生臭い因縁が大きな注目を浴びている。

「ナカダ容疑者は10人兄弟の末っ子。上から4番目の兄が、2005~06年に計17人を拳銃で射殺したとして懲役35年の刑を受けている」(週刊誌記者)

「実際に殺したのは25人」際立つサイコぶり

 この兄は逮捕後に、「実際に殺したのは25人」と告白し、自らの連続殺人について、「世界を浄化するため、神の命令で薬物中毒者や売春婦、同性愛者らを殺した」と説明するなど、そのサイコぶりは際立っている。そして兄の血を継ぐナカダ容疑者も事件前、周囲に「誰かに追いかけられている、自分は殺される」と打ち明けていたといい、精神面での問題が事件につながった可能性もある。

 その一方で、被害にあった住民らの怒りを買っているのが、埼玉県警のお粗末な対応ぶりだ。

 実は、事件が起こる直前の9月13日午後1時半ごろ、「意味不明なことを言っている」との通報を受けた同県警熊谷署の捜査員が、ナカダ容疑者を同署に任意同行していたのだ。

「ところが、事情聴取の最中にナカダ容疑者が『たばこを吸いたい』と言ったために、捜査員が屋外まで連れ出した。ナカダ容疑者は、付き添った警察官1人の隙を見て逃げ出し、そのまま行方をくらましてしまった」(全国紙社会部記者)

 つまり、埼玉県警の大チョンボが事態を深刻化させたというわけだ。

 タイミングも最悪だった。

「埼玉県警では今月、浦和署地域課の31歳の巡査部長が殺人容疑で逮捕されるという不祥事があったばかり。逮捕された巡査部長は、捜査で知り合った女性と不倫関係に陥り、県警内部で処分も受けた〝前科〟がある。処分後も女性との交際を続け、借金漬けになった挙げ句にカネ目的で殺人に手を染めた疑いがある」(同前)

 この一件では、先月末に着任したばかりの県警トップの本部長が、謝罪会見を開いた。だが、肝心の謝罪の場面で「被害者」を「被疑者」と言い間違えるという失態をおかし、ひんしゅくを買っている。

 会見に同席した県警ナンバー2の警務部長も、バツの悪い〝過去〟をさらされるハメになった。

「温泉マニアだった警務部長は、以前に赴任していた大分で、着任期間の1年半の間に『約200カ所の温泉を制覇した』として地元紙に取り上げられていた。この記事をめざとく見つけたネット住民が、今回の不祥事に絡めて『そんな調子だから部下の管理もできないんだ』とバッシングのネタにしているようだ」(先の週刊誌記者)

 超ド級の不祥事を連発してしまった埼玉県警。信頼を取り戻すのは容易ではない。

(取材・文/浅間三蔵)

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