【東京五輪エンブレム問題】日本の家紋に見る優れたデザイン性 (2/2ページ)
以前、家紋をデザインする紋章上絵師の先生と対談をしたことがあったが、家紋はそのデザイン面において非常に優れていることで知られている。以前、ルイ・ヴィトンもその影響にあったのではないかという話もあり、その真偽は定かではないけれども、フランスでそれなりのブームを起こしたことを考えれば、その家の持つコンセプトを具象化する手法も含めて、こうした職業の先生方にお願いしてみるというのは、コンセプト・オリジナリティ、その両面においても有効なのではないかという気がしている。そうすれば、こういったエンブレムもそのデザイン性のみならず、家紋を背景とした日本独自の意匠感覚も同時に評価される機会にもなっていたのではないだろうか。
もちろん、これはあくまで私見の世界の話ではあるが、いずれにおいても200億円も支払われながら、一切の共感性やコンセプトにおける納得感が低い中で進展が迎えられることは、余計な猜疑心を生む温床になりかねないのは確かなような気がする。デザイナーの知人は逆にこうした風潮が、デザイナーの仕事は楽だという職業蔑視に結びつくようで不安という声をもらしていた。
サントリーのトート・バック問題とか、もはやそれ以前の問題という気もしないでもないが、白紙撤回された今、願わくば、国民一帯となって希望あるオリンピックが迎えられることを期待しております。
著者プロフィール

一般社団法人国際教養振興協会代表理事/神社ライター
東條英利
日本人の教養力の向上と国際教養人の創出をビジョンに掲げ、一般社団法人国際教養振興協会を設立。「教養」に関するメディアの構築や教育事業、国際交流事業を行う。著書に『日本人の証明』『神社ツーリズム』がある。
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