北斗晶さん、毎年乳がん検診受けていたのに…どうして乳房全摘出?

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タレントの北斗晶さんが乳がんであることを発表しました。 毎年乳がん検診を受けられていたにも関わらず、右乳房全摘出、さらにはリンパへ転移している可能性もあると言っています。

毎年の検診を受けていたのに、どうしてがんが進行してしまったのでしょうか。医師に詳しく聞いてみました。 Q1. 北斗晶さんは、どうして乳房全摘出になったの? 乳がんの治療方法は、以下の点から決められていますが、北斗晶さんの場合、乳がんの悪性度が高く、進行度も高かったためと推察されます。

・乳がんのできている場所
・個数
・サイズ
・リンパ節の転移の有無
・年齢
・癌の種類   など

■場所や個数、サイズについて
取りやすい場所で個数も少なく、サイズも小さい場合は、部分切除と言って、その癌の周りをくりぬくように手術し、乳房を温存することができます。この場合は、全摘出の手術は必要ありません。

■リンパ節の転移について
癌は進行するに従って、その場所だけでなく、より遠くに遠くに広がろうとします。まず広がる先はリンパ節です。

乳がんの場合には、腋窩リンパ節(脇の下)や、鎖骨上窩リンパ節(鎖骨の上)に転移することが多く、画像検査や組織検査で転移があるかどうかを決めます。転移がある場合には、リンパ節も一緒に取ってしまう必要があるので、部分切除だけでは不十分です。

■年齢について
若い方の場合、なるべく乳房を温存するように心がけています。また、高齢になると、癌の進行がゆっくりになりますので、切除範囲を狭くすることもあります。

■癌の種類について
治療の決定事項として一番大切なのが、癌の種類です。乳がんといってもいろいろな種類があります。女性ホルモンにどの程度依存しているか、ホルモン剤がどの程度使えるかによって、手術で取るべき範囲が決まります。

ホルモンと関係なく成長する種類の癌は、手術の後にホルモン剤の効果がありませんので、手術でがんをすべて取る必要があります。北斗晶さんの乳がんは、がんの中でも悪性度が高くて進行が早いがんであったため、「乳房全摘出」という治療法になったと考えられます。 Q2. 毎年の検診だけでは不十分? 基本的には、毎年の検診で早期発見ができるので部分切除にとどまることもあります。ただし、北斗さんのように進行が早いものは検診を受けたときには癌が見つからなくても、発見時には乳房全摘出が必要なくらい進行している場合もあります。

しかしながら、1年で全身に転移して手術ができない…といういわゆる「進行癌」になることは少ないです。毎年の検診は重要ですので、受けるようにしましょう。 Q3. 乳がんの進行スピードは早いものなの? 進行スピードは、Q1で述べたとおりで、癌によってさまざまです。数年かかって大きくなる物もある一方、1年以内に全摘出が必要になることもあります。

北斗さんの癌は進行が早いものでしたが、進行スピードが早かった要因については、一概には言えません。 Q4. 乳がんの予防や早期発見のためにできることは? 予防として、まずは生活習慣を見直しましょう。アルコール、タバコ、肥満が原因となりますので、なるべく日々の生活を見直して原因をなくしていきましょう。

また早期発見には、検診が一番です。35歳を迎えたあたりから、自治体の検診をしっかりと受診することが大切です。 医師からのアドバイス 乳がんは女性に多く見られる病気ですが、早期発見、早期治療で治療成績は徐々に改善しています。わざわざ検診を受けるのが億劫だったり、マンモグラフィーがトラウマになって気が進まないという方もいるかもしれないですが、ぜひ検診を受けてください。

そうすれば、命を落とす方が減っていくことが期待できます。

(監修:Doctors Me 医師)

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