恋愛に生きるフランス人が昔から読んでいる「愛のある人生」を謳歌するための小説3つ

恋や人生に悩みを抱えながら生きるのは、いつの時代も同じようです。たとえそれが、100年以上前に生きた人々であっても……。
今回は、恋愛至上主義のフランスから、古典恋愛小説を3冊ご紹介します。恋愛観が少し変わるかもしれませんよ。
エロティックな恋愛ゲーム・・・

舞台は18世紀後半のフランス。貴族の華やかな社交界を舞台に、メルトイユ侯爵夫人とヴァルモン子爵(ししゃく)が繰り広げる恋の駆け引きを、文通という形で綴った小説です。
華やかな貴族社会の裏で繰り広げられるのは、純愛とは程遠い男女の歪んだ関係、そして淫行の数々……。『危険な関係』が発表された当時は、想像を絶するセンセーショナルな作品として話題になったのだとか。
原作はコデルロス・ド・ラクロの『Les liaisons dangereuses』。 世界中で映画化もされているため、DVD鑑賞をしてみるのもよいかもしれません。スリリングな恋愛を疑似体験できるかも!?
胸が熱くなる「結婚」と「恋愛」の板ばさみ !!

こちらも貴族社会の恋愛模様を描いた作品で、16世紀のフランス王「アンリ2世」の王宮が舞台。
クレーヴ公にみそめられたシャルトル姫は気の進まない結婚を承諾するものの、のちに舞踏会で知り合ったヌムール公に恋心を抱き始めます。「夫に尽くさなければいけない」という想いと、ヌムール公への抑えきれない恋の葛藤を描いた作品です。
シャルトル姫の繊細な心の描写だけでなく、当時の宮廷での出来事も忠実に描かれているため、華やかな貴族社会の様子も知ることができます。『クレーヴの奥方』が発表された当時は、話題の恋愛心理小説として脚光を浴びたそう。
原作はラファイエット夫人の『La Princesse de Clèves』。宮廷小説と女流作家ということで、平安時代の名作『源氏物語』を描いた紫式部に通じるものがあるような気もします。
幼なじみの男女の「恋の駆け引き」に・・・

フランス人は、いつの時代も恋愛ゲームがお好きな様子。最後にご紹介する『戯れに恋はすまじ』も、貴族出身の男女のラブゲームを描いた19世紀半ばの作品です。
幼なじみのペルディカンとカミーユはお互いに好意を抱くも、保守的なカミーユは恋愛に懐疑的。カミーユの心を仕留めるべく、農家出身の美女ロゼットをだしにして、ペルディカンは彼女の嫉妬心を煽る作戦を打ち出します。
原作はアルフレッド・ド・ミュッセ『On ne badine pas avec l’amour』の戯曲で、風刺が効いた恋愛作品として話題になったそうです。
恋に悶え、苦しみ、ハッピーエンドとは限らないのに、恋に全力投球する主人公たち。 恋に生きるフランス人の恋愛観を、小説から読み取ってみてはいかがでしょう?
【参考】
危険な関係/コデルロス・ド・ラクロ・著、竹村猛・訳、角川文庫・刊
クレーヴの奥方/ラファイエット夫人・著、生島遼一・訳、岩波文庫・刊
戯れに恋はすまじ/アルフレッド・ド・ミュッセ・著、進藤 誠一・訳、岩波文庫・刊