【クルマを学ぶ】強気のトヨタ!渦中の「クリーンディーゼル」エンジンで勝負
※前回の記事
【クルマを学ぶ】第二次世界大戦は「小型車戦争」 ジープとモータリゼーション
http://nge.jp/2015/09/27/post-117388
source:http://newsroom.toyota.co.jp/
リコール対象とされる1,100万台のうち、約3割を収益性の高いアウディ、シュコダが占める今回のフォルクスワーゲングループのディーゼル排ガス偽装問題。
発端となった米国はもとより、ディーゼルエンジン搭載車の本場である欧州にまで影響が拡大するなど、現在も大きな波紋が広がっている。
■ 各社競い合う「クリーン・ディーゼル」
持ち前の技術力を駆使して、環境性能と動力性能の両立を図った『クリーン・ディーゼル』を開発して来た、その他のメーカーにとっても対岸の火事では済まない。
そうした中、新たなディーゼルエンジン搭載モデルの、日本導入を予定していたメルセデス・ベンツが「2015年はエンジン革命の年」をスローガンに広報活動を展開している。
また『クリーン・ディーゼル』人気の火付け役でもあるマツダが29日、Webサイト上で「マツダの排出ガス規制への適合対応について」と題した声明を掲載、改めて自社の法令順守の姿勢を強調。

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トヨタ自動車も今年6月にランドクルーザー「プラド」に搭載したクリーン・ディーゼルエンジン『1GD-FTV』における高い環境性能を改めてWebサイト上でアピールしている。
同社が基本骨格から全てを見直した最新設計のディーゼルエンジン『1GD-FTV』では世界初の技術『TSWIN(Thermo Swing Wall Insulation Technology)』を採用。
断熱性・放熱性に優れ、熱し易く冷め易いシリカ強化多孔質陽極酸化膜(SiRPA)をピストン頂部にコーティング、燃焼時の冷却損失(熱が外に奪われること)を最大約30%低減した。

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■ ディーゼルらしい力強い走りを実現
その他にも以下に示す新技術の採用により、通常30%台のガソリンエンジンの熱効率を大きく凌ぐ、世界トップレベルの最大熱効率44%を達成しており、優れた燃費性能、低排出ガス、ディーゼルらしい力強い走りを実現したとしている。
・空気の入り易いポート形状の採用で、シリンダー内へ流入する空気量を増大
・新開発のピストン燃焼室形状と、コモンレール式燃料噴射システム
・メインの燃料噴射の直前に、少量の燃料を噴射する「パイロット噴射」
・小型高効率可変ジオメトリー型ターボ
また排出ガス対策では、酸素の少ない不活性ガスを冷却して燃焼室内に再循環、燃焼を緩慢化することでNOx(窒素酸化物)の生成を抑える『クールドEGR』を採用。

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一方、燃費向上では『尿素SCR+DPRシステム』を採用している。
『尿素SCR』はディーゼルエンジンに使われる最新技術のひとつで、現在実用化されている後処理装置の中では最も高いNOx浄化力を誇る。
アンモニア(NH3)のNOxに対する強い還元力を利用したもので、すでに火力発電所などでも実用化されている技術だ。
無味無臭の尿素水溶液を搭載しておき、必要な分だけアンモニアを生成、反応促進用のSCR(選択還元触媒)を利用して、NOx(NOとNO2)を無害な窒素(N2)と水(H2O)に還元する仕組み。
エンジン本体でNOxを低減するには燃焼温度を抑える必要が有るが、PMの発生原因にもなるため、NOx浄化力に余裕のある尿素SCRを活用することで、燃費や出力面で有利となるように燃焼を制御している。
また『DPR』はフィルターに吸着したPM(粒子状物質)を自動的に焼却してクリーニングを行うもので、エンジンの直近に配置、高温の排出ガスを通過させてフィルターのクリーニング効率をアップすることにより、必要となる軽油燃料を削減している。
■ 燃費とNOxの関係
そもそもディーゼル車において、燃費とNOxは二律背反の関係にある。
エンジンの燃焼効率を上げれば燃費が向上するものの、空気中の窒素と酸素が反応してNOxが発生し易くなる。
本来、その背反する事象を両立させるのが各社の腕の見せ所というわけだ。
今回のフォルクスワーゲン問題ではディーゼル車の燃費を優先すべく、排ガス認証以外では燃費の妨げになる『EGR』の機能をカットするソフトを車両に組込んだというもの。
フォルクスワーゲンが環境対応を疎かにした代償は2兆円超えの巨額制裁金に留まらず、同社がこれまで長らく築いて来たブランドへの信用を結果的に大きく傷つけることになった。
【参考・画像】
※ クリーンディーゼルエンジン – TOYOTA
※ トヨタ自動車、新型2.8L直噴ターボディーゼルエンジンを開発 – TOYOTA
※ TOYOTA、ランドクルーザープラドを一部改良 – TOYOTA
※ マツダの排出ガス規制への適合対応について – マツダ
※ メルセデス・ベンツ日本
【動画】
※ 【トヨタのテクノロジー】クリーンディーゼルエンジン – YouTube