男性の脳と女性の脳の働きは異なることが判明、動物実験の見直しへ(米研究) (1/2ページ)
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脳障害のなかには、程度や状態に男女差が見られるものがあるが、その差異にどのように生物学的または文化的な要因が関係しているのかについてははっきりしていない。しかしこのほど、男女の脳の働きは分子レベルで異なることが、『ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス』誌に発表された最新研究により報告された。
米ノースウェスタン大学のキャサリン・S・ウーリー博士率いる研究チームは、記憶を司る脳の部位、海馬内に存在する脳内麻薬の一種であるマリファナ類似物質(内因性カンナビノイド)の研究を行ってきた。内因性カンナビノイドには、抑制性の信号を伝えるシナプス(抑制性シナプス)の神経伝達物質の放出を抑え、情報伝達を調整する働きがあることがわかっている。
男女で異なる脳内麻薬の効果
研究チームは今回、内因性カンナビノイドと同様の効果を持つとされる薬「URB-597」をオスとメスのラットに投与した。その結果、メスには効果があったが、オスには効果が見られなかったという。具体的には、メスの脳でのみ、「URB-597」がアマンダミドと呼ばれる脳内マリファナ類似物質の抑制効果を高める効果を発揮した。
現時点では、人間でもこれと同じ結果が得られるかどうかは不明だが、「URB-597」は人間でも臨床試験が行われている。
オスばかり使われている動物実験の見直しが迫られる
ウーリー博士によれば、現在の神経科学研究の85パーセントが、オスの動物や男性の細胞を使った実験に基づいて行われているという。ウーリー博士は、今回の研究結果のように、男女の脳が分子レベルで異なり、それに対して効果のある薬も異なるのであれば、実験も男女両方を対象にする必要があると指摘する。
「脳における性差を研究することは、すべての男女に有効な医薬と治療法を見つけるために重要なこと。