面接で年齢の質問なし!日本より年齢差別が少ないアメリカの事情
日本人とアメリカ人では、考え方がいろんな面で異なります。
それは年齢に対する考え方、性別の違いに対する考え方も同様。ちなみに今回、海外留学経験のあるMadokaさんに伺ってみたところ、アメリカの方が差別は少ないとのこと。
また日本は、性別による不公平もまだ残っています。「第7回世界経済フォーラム 2012 年グローバル・ジェンダー・ギャップ・レポート」による「性別による公平さ」では、日本は135カ国中 101位という結果でした。
かなり低い順位に驚きますが、自由の国アメリカはどうでしょうか? 性別や年齢差別事情をくらべてみましたのでご紹介したいと思います。
■アメリカでは面接で年齢・国籍を聞かない
アメリカでは、年齢制限や性別による対応が日本とかなり異なっており、まず面接の際に年齢、国籍は聞かれないそうです。また、履歴書に写真も不要。
これはMadokaさんの体験ですが、J1ビザパスポート企業を探しているときも年齢の記載・写真がいらなかったといいます。
アメリカには年齢差別禁止法という、日本にはない法律があります。もともとアメリカは生まれたときから貧富の差があったり、人種差別などもまだ一部では残っていたりするのが現実。
だからこそ不平等を解消するために、誰もが公平に扱われるような法律が整えられているのかもしれません。
■アメリカでは50代で大学に行く人もいる!
アメリカ人が年齢を気にしない理由のひとつに、「30代でも40代でも50代でも、自分のステップアップのために大学に行って学ぶ人が多い」ことがあるようです。
日本人も、社会人から大学で学ぶ人は増えてきましたが、どちらかといえば「なんでいまさら……?」という見方の人が多いのではないでしょうか。
また日本の場合、ある一定の年齢までに方向性を決めないと、転職や再就職が厳しい状況になるのは事実です。面接で年齢を聞かないアメリカとは大きな差がありそうです。
■アメリカでは「女性に年齢を聞くのは失礼」
アメリカで誰かと知り合ってお話をするとき、女性に年齢を聞かれることはまずないそうです。それはアメリカ人の「女性に年齢を聞くのは失礼」という考え方からで、年齢自体もあまり気にしてない人が多いようです。
一方、日本人はどうでしょうか。
Madokaさんは日本人の知人男性に年齢を聞かれ、「30歳です」と答えると、「結婚は?」「そろそろ焦ったほうがいいよ」など“大きなお世話”な発言をされたことがあるそう。日本は特に、女性の年齢に対して過剰な反応する風潮がありそうです。
また、仕事面でも性別の差はあります。日本の会社の上層部はほとんど男性が占めていますね。そのあたりも、性別による不公平がまだまだ残っている理由かもしれません。
そしてMadokaさんは、こう語ります。
「日本の年齢差別は、長年続く“年齢を基準にする文化”のなかにあっては、なくなることは難しいと思います。
ニュースは記事には必ず、名前と一緒に年齢が記載されています。しかし海外の新聞で、年齢は記載されません。まずはマスコミが、こういうところに気をつけてほしいです。
私たちが普段気をつけることとしては、“人に会った際に年齢を聞くのを控える(特に女性に対しては)”、“年齢で人とつき合うのではなく、その人の中身を知ってつき合う”などがあります。
2020年には東京オリンピックも開催されるので、こういった面でも先進国として恥ずかしくない振る舞いができればいいなと思います。
また、いま若い方たちの留学数が減っていると聞きますが、グローバルな視野を持つことも重要。年齢という固定観念に縛られず、自分の視野を広げられるチャンスだと思うので、海外に興味のある方はどんどん外で学んで吸収すべき。それも、日本の年齢差別を減らせていけるチャンスのひとつかと思います」
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アメリカ人とくらべると、日本人は年齢を気にする人が多いという事実。もともとアメリカで暮らしていた人にとって、それは窮屈な部分かもしれません。
「履歴書に年齢を書かなくてよいレベル」に、少しでも早くたどり着きたいものですね。
(文/齊藤カオリ)
【取材協力】
※Madoka・・・2012年から1年強アメリカ、サンディエゴとロサンゼルスに留学。帰国後は東京在住、外資券企業に勤務。
【参考】