【宇宙研究】10年後に土星の「環」がなくなるってほんと? (1/2ページ)

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太陽系のなかでも特徴的な「土星」。シンボルである「環(わ)」はちびっ子の絵にも登場するほど有名ですが、10年後に「消滅」してしまうのはご存じでしょうか?

土星の環の正体はおもに氷で、直径27万kmにもおよぶ巨大な円を描いているのに、厚さは1km程度しかないため、真横からは見えない「ほぼ2次元」な存在です。土星の地軸は傾いているので、約15年周期で地球に「真横」を向け、つぎに見えなくなるのは2025年。10年後に「環のない土星」が拝めるようになるのです。

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太陽系の6番目の惑星である土星は、木星に次いで2番目に大きい惑星です。そのため、家庭用の望遠鏡でもカンタンに観測でき、天体観測では人気の存在です。環の材料はおもに氷で、数cmから数mのものまで大小さまざま。これが太陽の光を反射するため「環」のように見えるのですが、つながっているわけではないので円形の「雲」と表現したほうがわかりやすいでしょう。

土星の環の直径は約270,000km、複数で構成され、

 ・A環 … 約15,000km

 ・B環 … 約25,000km

が代表的で、土星の絵に二重の環が多いのも、この2つがよく見えるからです。近年になって探査機があらたな環を発見したため、土星に近い順にD、C、B、A、F、G、Eと不規則になっていますが、ここでは古来から「環」とされるA/Bにしぼって説明します。

土星の環の大きさを身近なものと比較してみましょう。直径の27万kmは、

 ・地球を21個ならべた大きさ

 ・光が届くのに0.9秒かかる距離

 ・地球から月までの「7合目」

と巨大なのに、厚さはだいたい1km、多く見積もっても10km程度しかありません。

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