オオカミってやっぱすごい!ほんの少数のオオカミの群れが自然に奇跡をもたらすまで(米イエローストーン国立公園) (4/4ページ)

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水と緑の豊かな場所に
 オオカミは他の生物に大きな影響を与えただけでなく、川の特徴までも変えてしまったのである。

 それまでの曲がりくねっていた川は緩やかな蛇行流となり、浸食が減り、水路は狭まり、より多くの水のたまり場ができ、浅瀬ができるようになった。これらの全ては野生の生物たちにとって好ましい環境である。

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 オオカミの出現で川の様態が変わり、森林が再生されることにより、川岸はより安定し、崩れることも少なくなった。そして、川は本来の強さを取り戻し、鹿たちに食尽された谷間の植物たちも再び生い茂り始めた。植物が増えたことにより、土壌の浸食を抑えることにつながった。

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 こうしてみると、ほんの小さなオオカミの群れが、生態系だけでなく、イエローストーン国立公園という巨大な土地の自然地理学さえ変える力があることがよく分かるだろう。

 現在ではその個体数が安定したことから、1973年より絶滅危惧種に指定されていたオオカミは、2012年9月末に絶滅危惧種の指定を解除された。

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 イエローストーンからオオカミが消えた理由は、自然破壊と人為的駆除が原因と言われている。「自然はそのままであるべきだ」とか「人間にとって都合がよくないかもしれない」という理由で、再導入に反対する声も上がっていたのは確かだ。

 だが、オオカミを絶滅に追いやったのは自然ではなく人間だ。結局のところ、我々人間がオオカミの運命を握っているのだ。イエローストーンでは、オオカミを復活させた後入念に個体管理を続けている。オオカミを復活させた以上、彼らに対する責任は人間にあるということを忘れてはならない。

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