「給料が1/2に」落ちたら這い上がれないブラックなアリ地獄(3) (2/2ページ)
右上に彼の顔写真があり、「懲戒解雇処分」として氏名と年齢が書かれ、その下に「罪状」として4点が列挙されている。
たとえば「会社の職制を中傷又は誹謗し職制に反抗」という項目も入っている。そのうえで「『懲戒解雇』になった場合、再就職があると思いますか? 家族を誰が養うのですか? 『一生を棒にふることになりますよ』」と、組合に入って会社に要求などすればこうなる、と他の社員の見せしめにしている。ビラ全体から、まるで2ちゃんねるのような雰囲気が感じられる。
人を犯罪人のように扱うといえば、その前に、元従業員でプレカリアートユニオン引越社支部の支部長も同じように張り紙をされた。
これまた写真入りで「要注意」とでかでかとした活字。西村さんと同じように顔写真入りである。文面は、在職時に支部長がマルチ商法にはまり、今は退職者を中心にユニオンの勧誘行為を行なっているが、「悪徳マルチ商法への勧誘が●●(名字)の本当の目的になります」と、信じられない言葉がチラシ上に踊っている。
そのうえで「この人物の言葉に耳を貸してはいけません!」と。この場合も支部長に対する名誉毀損の恐れがあるし、あからさまにユニオンへの加入を防ぐ内容になっている。ユニオン側は、この点も不当労働行為だと裁判で主張している。
それにしても、この2枚のビラは、はからずも引越社の体質を世間に知らしめてしまった。このような事実を見れば、従業員や元従業員が“アリ地獄”と称するのもわからなくもない。
もはやブラックの限りを尽くしてきた引越社の命運もこれまでかもしれない。
(文・『実話BUNKAタブー』2015年11月号より)写真:morphart / 123RF
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※データは初出時のものです。