「給料が1/2に」落ちたら這い上がれないブラックなアリ地獄(3) (1/2ページ)
ユニオン加入で配転、給料半分に
次からつぎへ元社員を中心にプレカリアートユニオンに加入して労使交渉を行い、弁済金の一部返還交渉などが始まったのを知り、西村さんもユニオンに加入、今年3月3日に会社に対してユニオン加入通知と労使交渉を求めた。
ところが、5月4日、営業からアポイント部へ配転させられ、営業時代に額面で月35万6420円から額面18万3180円に大幅減額。実に51%も給料を減らされた。さらに6月29日、シュレッダー係に配転させられた。「シュレッダー係」など会社の組織図にもなく、それまではアルバイト男性が書類を破棄する作業をしていた。そこに正社員の西村さんが入れられて、一日中立ったまま、書類をシュレッダーで裁断する作業をさせられることになった。
給料18万円そこそこだから手取りはわずかで、たちまち生活苦におちいった。このような事情があるからユニオンに加入して、以前の部署にもどし、給料も以前と同じにするように要求した。
組合活動を理由に配転させられて給料を半減されたのは、不当労働行為だと6月15日には、東京都労働委員会に「不当労働行為救済申立て」をした。それに加え、名古屋の集団提訴と同時に、西村さん個人が東京地裁に提訴したのだった。ところが間髪をいれず懲戒解雇となり、しかも西村さんが組合に加入して実態を改善するために会社と交渉をし、その流れで裁判を起こしたのが懲戒解雇の理由だという意味のことをN本部長は明確に説明したのだから、東京都労働委員会に不当労働行為とみなされる可能性は高い。
ユニオンと西村さんは、お盆明けの8月17日に解雇無効、配転による賃金請求をするため、東京地裁に仮処分申立てをした。仮処分というのは、普通の裁判では判決までに1~2年もの時間がかかってしまうため、緊急を要する場合にすばやい仮の処分の決定を裁判所に対して申し立てることである。
実際、半分に減らされた給料も失い、貯金もほとんどないことから、生活そのものが成り立たない大ピンチだが、仮処分の申立が認められる可能性は高い。
しかし、事態はそればかりではなかった。引越社は西村さんの顔写真入りのビラを社内に張り出したのだ。