記者も走ってきた! 京急「車掌置き去り&1駅ダッシュ」騒動を現地検証する (3/4ページ)
車掌はどんな気持ちでこの道を走ったのだろう。件の電車はその日の最終列車だった。疲れた体を電車に委ねる、たくさんの乗客。「車掌は『自分の責任で大勢に迷惑をかけている』という思いだったと聞いている」と広報課は答えていた。第一京浜道路沿いのレンタカー店員は、「走っている車掌はうちでは誰も目撃できなかった」という。一刻も早くと、一心不乱で駆け抜けたのだろう。そんな車掌に思いを馳せると、今走っている記者も「バテたから」という理由で手を抜くわけにはいかなかった。
当初の「対抗心」は徐々に薄れ、車掌の当時の心情や表情が気になってきた。北品川駅で置き去りにされた時、駅務室で指示を受けた時、疾走している時。自責の念や焦燥に、ダッシュによる酸欠が加わって、記者が車掌の立場なら半狂乱に陥ってしまったかもしれない。
目標の「3分」は達成、しかし...
新馬場駅に到着
新馬場駅に着いたが、最後に難関に直面する。階段だ。後で測ったところ、高さは1段約14センチで全58段あった。サッカー部時代の地獄の階段ダッシュを思い出し、うなだれる。膝が笑う。

最後の力を振り絞り、階段を駆け上がる
どうにか駆け上がり、ゴールの駅ホームに着く。タイムは2分38秒。苦しかったが、外的・内的要因が絡み合い、「3分以内」は達成できた。どうやら本当に北品川駅-新馬場駅間を走って移動し、約5分の遅延で済ませることは不可能ではなさそうだ。もっとも、記者は全身疲労に見舞われた。車掌も同じであったなら、このあと通常どおりに業務をこなすのは容易ではない。