60年以上かかる「1億円の資産」をわずか20年で生み出す方法
先の見えない低成長の時代だからこそ、わずかな収入からでも大きな資産を生み出す手腕を身につけておくことが重要。
そこで、時代の流れに翻弄されない、盤石な資産づくりの方法を紹介しているのが『空き家を買って、不動産投資で儲ける!』(三木章裕著、フォレスト出版)。
「収益不動産経営コンサルタント」である著者は、多くの人の資産づくりを成功させてきたという人物。でも、空き家を利用した不動産投資がそれほど簡単に成功するとは、ちょっと考えにくくもあります。
しかし著者はそれでも、1億円の預金をつくるより、1億円の資産をつくる方が簡単だと断言します。
■1億円を貯めるのには61年9ヶ月
平成24年の国税庁の民間給与実態統計調査結果によれば、平均年収は408万円。毎月の生活費を15万円(年180万円)、毎月の源泉税や社会保険で5万5,000円(年66万円)は引かれるといいます。
すると手元のお金を全額預金に回したとしても、年間162万円程度。これをすべて預金したとしても、1億円を貯めるのには61年9ヶ月もかかってしまいます。
しかも現実的には、住宅ローン、教育費、怪我や病気などによる思わぬ出費があるとすると、30歳から預金をはじめても90歳をゆうに越えてしまうことになります。
■1億円の賃貸マンション購入例
では、資産づくりのために不動産投資をした場合はどうでしょう?
現在のようにインフレ政策が続けられる限り、20年後も買った不動産の価格は変わらないとします。
たとえば1億円の賃貸マンションを銀行ローンで買った場合、表面利回り(年間家賃収入÷物件価格×100)8%以上で買うと、20年間の家賃収入で、ローン返済と維持管理費を(自分の収入から追い出しせずに)なんとか払っていけるはずだといいます。
■年間800~1,000万円の収入が
ということは、20年間その家賃さえあてにしなければ、20年後には入居者が勝手にローンを払い終えてくれて、1億円の資産は自分のものになるということ。
そしてそれからは引き続き、年間800~1,000万円の収入を手にすることができるという考え方です。
つまり、もしも預金で1億円をつくろうと思えば60年以上もかかるのに、1億円の資産を手にするには20年の歳月しか必要ないというわけです。
しかもそれ以降も家賃収入は続いていくのですから、たしかにメリットは多そうです。
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こうした考え方を軸に、本書では不動産投資で収入を得るための方法を具体的に解説しています。
いままで常識と考えていたことを別の視点から見てみることが必要だというわけで、たしかにこれからの時代には大切なことだといえそうです。
(文/書評家・印南敦史)
【参考】
※三木章裕(2015)『空き家を買って、不動産投資で儲ける!』フォレスト出版