もう「火花」は読んだ? 大学生にオススメしたい歴代芥川賞受賞作品4選 (2/2ページ)

学生の窓口

高校という集団生活にうまくなじめずにいる女子高生のハツと、アイドルオタクでやはりクラスからはみだしている男子にな川が、ふとしたきっかけから関わり合うようになります。友情や恋という言葉でくくれない微妙な感情を、題名にもなっているエピソードに表現しています。所属する世界に違和感を持ち、どこか折り合えないでいる、若い人におすすめの小説です。

■第134回「沖で待つ」絲山秋子

住宅設備機器メーカーで総合職として働く「私」と、同期入社の「太っちゃん」。性も性格も違うのに、「太っちゃん」が結婚後も、信頼し合う不思議な仲です。営業職で勤めていた経験のある作者が描く会社生活は、リアリティにあふれています。そんな現実の中、二人の間で成立する約束は、もし片方が死んだら、残った方が相手の、家族にも明かしたくない秘密を消し去ってしまうというもの。それを実行する日がきてしまう「私」は……。社会人となっても、奇跡のような絆があるのだと思わせてくれる、せつなくて温かい読後感です。

又吉直樹さんは、大変な本好きでも知られています。これまであまり読書経験がないという人も、最初は、話題性やちょっとした興味からでも小説を読み、もっと読んでみたいと思ったら、各賞の受賞作品というのは、道標になってくれます。数多く出版されている本の中でも、自分の心を揺さぶる作品に出会えることを願っています。

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