【インタビュー】実体のない本屋さん『いか文庫』って一体何者? 「エア本屋」が語る、WEB時代の読書のすすめ

学生の窓口

スマホやノートパソコン、タブレットを一度も見ない日はないというほど、ネットを使うことが日常的になっている現代。特に大学生や若手社会人は「ネット世代/スマホ世代」などと言われることも多いですよね。若者の読書離れ、などと叫ばれて久しいですが、ほしい情報の殆どがネットで手に入る今、本を手に取る意味って結局どこにあるのでしょうか?「エア本屋」として「いか文庫」の活動を行っている「(いか文庫の)店主さん」と「バイトちゃん」のおふたりにお話を伺いました。


■ふわっと漂う「いか文庫」一体何者?!

―いか文庫とは何者ですか?

いか文庫とは、お店も無いし、商品も持っていない、「エア本屋」です。でも、エアギターと同様、さもそこにお店があるように、毎日開店ツイートをしたり、本や本屋さんにまつわる何か(たまにイカも)をしたりしています。

―いか文庫ができたきっかけを教えて下さい。

私店主が、3年半前のある日友人から「自分の本屋さんを作るなら、何て名前にする?」と聞かれ、その当時から使っているiphoneケースが「イカ」の形だったこともあり、「"いか文庫"かなぁ」と、何気なく返事をしたことがきっかけです。その名前のお陰でその後、イカ好きの女の子、現いか文庫バイトちゃんにTwitterで出会いました。

―いか文庫には、なにかコンセプトはあるんでしょうか? 教えて下さい。

"エア感"を大切に、でもたまに"リアル"にも活動を行い、より多くの方に、本や本屋さん(たまにイカ)の魅力を伝え、楽しんでいただく機会を作ることです。また、スタッフ自身が楽しいと思うかどうか?も重要なことの1つとしています。

―最近はどんな場所で活動されているのか教えて下さい。どこに行けばいか文庫に出会えますか?

2015年は、リアル書店さんでの「いか文庫フェア」を立て続けに行っています。これは、リアル本屋さんの一角をお借りし、テーマに沿った本をいか文庫が選び、リアル本屋さんに仕入れていただき、POPを付け、ディスプレイをし、販売する、というお仕事ですが、今年は初めて、首都圏以外の書店さんでも開催しています。

10月19日からは、これもまた初めての大学生協の書店さんでのフェアを、京都・立命館生協ブックセンターふらっとさんで11月20日まで行います。

また昨年になりますが、渋谷のライブハウスで、本と音楽を一緒に楽しむためのフェス「本音のフェス」を開催したり、スポーツバーで「ダイオウイカのテレビ特番」のパブリックビューイングを行ったり……本と本屋さん、イカにまつわることだったら何でもやってみよう!と思い、取り組んでいます。
■いか文庫の店主、バイトちゃんの大学生時代

―いま、こんなに精力的に様々な活動に取り組まれているのは、きっと学生の頃から本や本屋さんに対して熱い思いを持っていらっしゃったからでは……と感じるのですが、店主さんとバイトちゃんの大学生時代、振り返ってみてどんなものだったか教えて下さい。いか文庫に繋がっている部分は大学時代のどんなところにあったのでしょうか?

<店主の大学生時代>

誘われるがままに入った写真部で出会った友人達と、写真だけでなく音楽や本など様々なものに出会い吸収したことが、今の私を形作っていると思います。特に、ヴィレッジヴァンガードに初めて訪れた際の衝撃が私の人生を変えました。そして、大学卒業後はスポーツメーカーに勤めていたのですが、30歳になる前に突如思い立ってヴィレッジヴァンガードに再就職し、そこで本を売る面白さに目覚め、現在、リアル書店にも勤めながら、いか文庫の店主もしています。

大学時代にもっとやっておけば良かったなぁ…と思うことは…もっともっとあらゆるジャンルの本を、とにかくたくさん読んでおくべきだった、ということです。ほぼ毎日思います。

<バイトちゃんの大学時代>

大学時代はラジオの放送作家のアルバイトをしていて、毎日3分程の「都内のお出かけ情報紹介コーナー」を担当していました。毎日放送があるので、毎日ネタ探しをして、気になるものはすぐに取材をし、原稿を書いて…という日々でした。この経験のおかげで、気になる物事は自分の目で見て確かめることの大切さや、0から物を作ることの楽しさを知りました。こういう姿勢は今のいか文庫の活動にも繋がっているなと感じます。

(でも実は一番役に立っているのは、アルバイトで貯めたお金で"おいしいイカ"をたくさん食べたことかも?)

やっておけばよかったと感じることは英語の勉強です。日本語でも説明が難しい“エア本屋 いか文庫"を、英語で説明するのは難しいんですよ。
■いまの大学生にひとこと

―最後に、いまの大学生や若い世代を見ていて何かお感じになられることがあれば、一言お願い致します。

今の大学生はバイタリティに溢れているなぁと感じます。様々なことにどん欲なので、接するとビリビリ刺激を受けます。

ただ、人と繋がりを求め外向きに動くことと同時に、自分自身を見つめることも一番できるのが大学生の時なのではないかとも思います。そんな時に役立つのが読書かなとも。読書は、リアルでは味わうことの出来ない世界とも繋がることのできる、とても魅力的なものだからです。学生時代は、その本を人生の中で一番手に取れる時期だと思います。たくさんの本に出会い、自分の興味関心や趣味嗜好を知り、それを掘り下げたり、より広げてみたりすることで、自分を分厚くできると思います。

そしてそんな「自分が分厚い人」はとても魅力的ですし、そういう人ほど仕事や周りの人が放っておかないので、気が付いたら外向きにも活躍している、そんな状況になれると思います。 私の身の回りにも、大学生の時に本に出会って衝撃を受け、書店や出版社など本に関わる仕事で大きく活躍している方が少なくありませんから。

いかがでしたか? 店主さんやバイトちゃんにとってそうであったように、あなたにとっても本との出会いが人生を変える「衝撃」になったり、自分を「分厚く」する要素のひとつになったりするかもしれません。秋の夜長、まずは一冊、本を手に取ってみてはいかがでしょうか。そして、読書の道に迷ったときはぜひ、「いか文庫」を訪れてみてくださいね!

取材協力◯いか文庫店主さん・バイトちゃん
http://www.ikabunko.com/
文◯学生の窓口編集部

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