【衝撃の研究】光で変化する「磁石」があるって本当? (2/2ページ)
現在は、磁石の密度とプラッタの枚数を増やす「力ワザ」で容量を増やしていますが、光磁気スイッチングを応用すれば、小型化/大容量化が可能になるのです。
■光をねじる「キラル光磁石」
これを発展させた「キラル光磁石」は磁石になる/ならないだけでなく、鏡のような性質をもち、そのまま反射したり、光を90度ねじって反射させることができるため、光ファイバなどの通信機器を一変させる可能性を秘めています。
人間の目には、光は「まっすぐ」にしか見えませんが、実際は蛇行しながら進み、
・水平偏波(へんぱ) … 地面に対して左右に振れる
・垂直偏波(へんぱ) … 地面に対して上下に振れる
の2種類があります。この光を90度ねじるようにして、水平/垂直を変換するのもキラル光磁石の特徴で、
・普段(非磁石の状態) … 水平偏波を垂直にして反射
これに青い光を当てると、
・光磁石状態1 … 水平偏波を水平のまま反射
さらに赤い光を照射した光磁石状態2では、もとの水平→垂直変換がおこなわれる、磁石とも鏡とも呼べる物質なのです。
光がねじれたら、どんなメリットがあるのでしょうか? これに格子状の「スリット」を組み合わせると、水平のスリットには水平偏波だけが、垂直なら垂直偏波だけが通過するので、情報を「仕分け」することができるのです。たとえばインターネットなら、水平は国内、垂直は海外向けと使い分ければ、効率よく伝えることができます。もちろん記録メディアにも応用できるので、Blu-Rayを超える容量も夢ではありません。
いっけん地味な素材の磁石も、いまやホットな話題が持ちきりなので、パソコンやスマホが激変する日を楽しみに待ちましょう。
■まとめ
・光で制御できる磁石が開発されている
・実用化されればハードディスクの小型化/大容量化も夢ではない
・当てる光の色によって反射のしかたが変わる、磁石?鏡?な磁石も開発中
(関口 寿/ガリレオワークス)