【衝撃の研究】光で変化する「磁石」があるって本当? (1/2ページ)

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理科の実験でも定番の「磁石」。決して目新しい素材とは呼べず、日常生活では冷蔵庫にメモを貼り付けるぐらいにしか使われていませんが、光でコントロールする磁石が研究されているのはご存じでしょうか?

普段は磁力がないのに、光を当てると磁石に変わる素材が開発され、欲しい場所にだけ強い磁力を生み出すことができるようになりました。この発展型である「キラル光磁石」は光の色によって反射のしかたが変わり、青はそのまま、赤は90度ねじれて反射するフシギな磁石。ハードディスクはもちろん、通信に使われる光ファイバにも応用できるので、コンピュータの仕組みを一変させる可能性を秘めた磁石なのです。

■光を当てると「磁石」になる

磁石と聞いて思いつくのは、SとNの2極がある、種類によって強弱が変わる、鉄は付くがアルミはくっつかない、ぐらいでしょうか、シンプルな素材だけに変化に気づくひとは少ないでしょう。しかし、パソコンやBDレコーダーに利用される「ハードディスク」の正体は高密度な磁石、低消費電力なのに強力な電動工具が登場したのも、ひとえに磁石が進歩しているからです。最近の研究では、光を当てると磁石に変わる「光磁気スイッチング」も誕生しているのです。

ハードディスクの構造を、磁石で例えると、

 ・大量の棒磁石を垂直に並べ、円盤(プラッタ)を作る

 ・円盤を回転させる

 ・棒磁石の上に「ヘッド」と呼ばれる電磁石を近づける

 ・ヘッドに電気を流し磁力を発生、棒磁石のSとNを入れ替える

ような構造になっているため、棒磁石をどれだけ小さくできるかが大容量化のカギとなっています。

ところが、磁石が小さくなればヘッドも小型化しなければいけませんし、狙った場所だけ書き換えるのは高い精度が求められ、失敗すればほかのデータが失われてしまいます。対して光磁気スイッチングなら、容易に光を「細く」でき、文字通り光速で照射できるので、ほかの磁石を書き換えてしまうリスクも少なくなります。

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