鬼の平蔵は「FX」で捜査費用をまかなったって本当? (2/2ページ)

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当時の幕府は慢性的な財政難で、火盗改にも充分な予算が与えられなかった。長谷川平蔵は400石の旗本で、決して裕福とは呼ばない収入だったが、私財を処分してまで捜査費用に充てていたというから、その金欠ぶりがうかがえる。創設された人足寄場も、初年度は500両、2年目以降は300両と、運営があやぶまれるほどの低予算だった。そこで幕府から出してもらった3,000両を元手に銭(ぜに)相場で儲けるという、とんでもない作戦にうってでたのだ。

銭相場はいまのFXのようなもので、ある意味でバクチの要素がある。ところが若い頃に悪所通いしていた平蔵だけに、読みが当たって大もうけ! 利益はおよそ170両と、人足寄場の半年以上の運営費をつくり出した。ところが、このできごとが平蔵の評判を下げる原因となる。「いかがわしい方法」でカネもうけしたヤツ=「悪者」のレッテルを貼られてしまったのだ。

仕事の費用を稼ぎ出したのだからほめて欲しいところだが、同様にして巨額を手に入れた商人も多かったため、ねたみも加わって「相場でもうけるなんて、もってのほか!」と非難ごうごう…。もともと上層部の受けが良くなかったこともあり、「よろしくないヤツ」呼ばわりされるようになってしまったのだ。

数々の功績をあげ、奉行所の町方からも「ぜひ町奉行になって欲しい」と熱望されていたにも関わらず、昇進を果たせぬまま生涯を閉じる。人足寄場の責任者を解任されたときも、退職金は大判・金5枚だけだったとされ、さぞかし無念だったに違いない。実力があるひとが上司者からうとまれるのは、今も昔も変わらないようだ。
鬼の平蔵は「FX」で捜査費用をまかなったって本当?
■まとめ
 ・鬼平で知られる長谷川平蔵は、世界初の更正施設・人足寄場をつくった人物
 ・相場でもうけ、予算不足を乗り切った
 ・部下や町人からは絶大な人気を得たが、上司受けが悪く出世できなかった…
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