CDは多いのになぜ? 図書館にDVDが少ない理由

学生の窓口

どの街でも見かける「図書館」。勉強する場所、静かにしなければ、とお堅いイメージが強いが、廃盤になったCDも借りられる頼もしい存在である。

図書館には音楽CDが豊富に揃えられているのに、DVDやBlu-Rayはあまり見かけないのはナゼか? 理由は著作権の違いで、CDの貸与(たいよ)権は規制がゆるく、営利目的であれば誰に貸してもOK。対して「映画」などには頒布(はんぷ)権があり、たとえ図書館でも著作者に無断で「貸し出し」「上映」できない。貸し出しOKなタイトルは非常に高価なため導入できる図書館が限られてしまうので、観たい映画は買うかレンタルがよさそうだ。

■映画か映画以外か、それが問題だ

CDはフツウに見かけるのに、DVDやBlu-Rayを置いてある図書館が少ないのは著作権、なかでも貸与(たいよ)権の違いからだ。

貸与権とは、著作者や演奏家、販売する会社が「誰かに貸す」のを制限できる権利で、レコードやCDの「音楽」の場合、日本の製品には、
 ・発売から1年間 … 権利者が専有できる
 ・1年以降 … 報酬を払えば許諾なしで貸与できる
のルールがあり、発売から1年以内なら権利者が貸与を拒否し「販売のみ」にすることもできるが、1年以上経過したものはちゃんと料金を支払えば、レコード会社などの許可を得る必要がなくなる。これは1984年に定められたルールで、レンタル料金の一部がアーティストたちに還元される仕組みになっている。

図書館で借りられるCDは、権利者に報酬を払わなくても良いのか? 借りるひとはタダなので、報酬を支払っているなら「図書館もち」のはずだが、
 ・営利目的ではない
 ・借りるひとから料金を徴収しない
場合は、権利者に無断で貸しても良いルールがある。これは「映画以外」の作品に適用され、CDやレコード、DVDやビデオテープなど記録メディアの違いではない。

海外作品は発売から1年間レンタル禁止が一般的なので、聞きたいCDが借りられない!と騒ぐ前に発売日を確認しよう。

■映画の貸し出しは「ご予算次第」

DVDやBlu-Rayに代表される「映画」の場合、制約が厳しくなる。非営利目的で料金をもらわない場合も、無断で貸し出し/上映ができないのだ。

これは頒布(はんぷ)権と呼ばれ、個人で借りるレンタルだけでなく、映画館向けのフィルムにも適用され、目的や期間まで著作者の許可が必要になる。レンタルDVDを家族で観るぐらいなら許容されるだろうが、料金をもらわなくても不特定多数のひとがいる場所で「上映」すると権利侵害になる。公共機関であり料金無料の図書館でもこのルールは適用されるので、勝手に貸し出すわけにはいかないのだ。

うちの近くの図書館ではDVDも借りられるよ!というひともいるだろう。これも正で、それらの作品には、
 ・館内視聴
・館外貸出
・館内上映
のシールが貼られ、それぞれ〇か×が印字されているはずだ。これは、図書館が権利者と契約した証で、〇が付けられた方法に限り許される。

それなら図書館にもDVDを増やして!と思うのが人情だが、「映画」の場合は無料というわけにはいかず、図書館(=その自治体)は権利者に対して料金を支払わなければならない。これは「補償金」と呼ばれ、個人が買える/レンタルショップに並んでいるものとは別ワクの「補償金処理済み」版を購入しなければならない。ネット通販では数千円の作品が2万円弱!と高価なため、なかなか普及しないのが現状だ。

図書館にDVDやBlu-Rayが並ぶかどうかは「予算次第」。現状、はやく観たいひとは購入するのが近道である。
CDは多いのになぜ? 図書館にDVDが少ない理由
■まとめ
 ・「映画」と「音楽」では、著作権が違う
 ・音楽CDの貸与権は、非営利目的+無償の貸し出しが認められている
 ・「映画」の貸し出しや上映は、図書館でも権利者の許諾が必要
 ・貸し出しOKなDVDも存在するが、セル版よりも圧倒的に高価…

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