腫瘍細胞における薬剤耐性メカニズムを解明したという、ガン治療のややこしい発見 (2/2ページ)
しかし『hnRNPA0』は、ガン化してしまった細胞を分裂させ続けてしまうのだ。
しかもやっかいなことに、この『hnRNPA0』が働き出すと、化学療法薬で細胞が殺されないように耐性をもたらしてしまう。
どおりで化学療法薬が効かないわけだ、と科学者達は気付いたことになる。
そうすると、次にやるべきことは、このバックアップシステムを停止させることではないか。
■ 化学療法が効果的な患者を見分ける方法

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そしてバックアップシステムを遮断することで、化学療法薬が効果的になる『P53』欠損腫瘍に変えることができるとわかった。
実はこのバックアップシステムの存在は、2013年には発見されていた。そして新たな研究では『hnRNPA0 RNA結合タンパク質』を活性化させているのがMK2タンパク質であることが分かったのだ。
しかし、『hnRNPA0 RNA結合タンパク質』の分子レベルでの機能の詳細がまだ分かっていないらしい。
どうやら『hnRNPA0』は細胞分裂プロセスにおいて2つのチェックポイントを持っているらしく、細胞が健康なときはこれらのチェックが停止しているようだ。
そのうちの1つは、例の『P53』によって起動する。
ところが『P53』が無いときは、『Gadd45』と呼ばれるタンパク質によって制御されることがわかった。その結果、『P27』と呼ばれるタンパク質のために『mRNA(messenger RNA)』を安定させる働きがあるという。
と、ややこしい話しが続いたが、結局出された結論は、『Gadd45』と『P27』の『mRNA』の濃度を測定することで、その患者に化学療法が効果的かどうかが予測できるようになる、ということだった。
こういうややこしい研究の地道な積み重ねによって、ガン治療は進歩している。
【参考・画像】
※ Biologists unravel drug-resistance mechanism in tumor cells | MIT News
※ Syda Productions / PIXTA