世界は数字が全てではない!数値化に隠された「恐ろしいリスク」 (1/2ページ)
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科学
私たちの生活において、数字には重要な役割があります。特にビジネスシーンでは、数字は指標や判断材料として欠かせません。
しかし、その正確さや公平性ゆえに、私たちは数字に縛られすぎるもの。たとえばレストランに行ったとき、値段を気にして食べたいものを我慢したり、「●●万部突破!」という文句につられて本を買ったりするなど、気持ちや感情は数字に左右されてしまうわけです。
そんななか、オーストラリアの『The Age』では、数値化することへの疑問が述べられていました。
■自分の身体に耳を傾けられなくなる?
「多くの人が、数字で計れないものは管理できないという認識を持つ」
そう語るのは、メルボルンにあるスポーツセンターの心理学者、ジャッキー・ラウダー氏です。スマートフォンの普及に伴い、さまざまなアプリケーションが使われる現代。自己管理もアプリケーションによる数値化に基づいて行われつつあります。
こうした数値化テクノロジーの背景には、米国カリフォルニア州から始まったQS(Quantified Self)というムーブメントがあります。QSとは、コンピューターを用いて人間の行動や状態をトラッキングし、定量的に観測するという、1種の分析方法。
プロのトレーナーや医者にとっては、定量化はとても有益なものになります。しかし、一般の人が単に定量化だけを行うと、自分の身体に耳を傾けることを止め、生活が数字に支配されてしまう危険性があるのです。
■すべて数字で判断できるわけではない
メルボルン大学の数学者であるジャン教授は、「数字はどんなときでも冷静で公平。議論の余地はない」と指摘します。事実と幅広い知識に基づいた判断は、思想や直感に基づく判断よりも遥かに優れていますが、すべてが定量化できるわけではありません。
たとえば、文化と創造性について考えてみましょう。