北朝鮮、闇レートは黙認…高級百貨店に日本製のシャープのTV (2/2ページ)
4万2000ウォンのLED電球は、公式レートに換算すると400ドルというというんでもない値段だが、実際には5ドルで売られている。つまり国営商店ですら闇レートが使われているのだ。
個人経営の店ならともかく、国営の高級百貨店で闇レートが使われていることは、北朝鮮当局が闇レートという認めたくない「不都合な真実」を受け入れつつある証拠といえるだろう。ただでさえ北朝鮮ウォンでの支払いは不便が伴う。
普通江百貨店では、米ドル、人民元、デビットカードにあたる「ナレカード」での支払いが可能だ。お釣りは外貨または北朝鮮ウォンで支払われる。
ジャームズ記者は、多くの人が米ドルで買い物としていると伝えた。北朝鮮ウォンでの支払いが可能かどうかには触れていないが、支払いはかなり面倒なことになる。
例えば、北朝鮮ウォンの最高額紙幣が5000ウォン札だ。LED電球1つなら5000ウォン札8枚と1000ウォン札2枚で済むが、1126万ウォンのエアコンの買うためには5000ウォン札を2252枚が必要となる。北朝鮮ウォンは単純に通貨として「非常に使いづらい」のだ。記者は、平壌のタクシーでさえ北朝鮮ウォンを嫌がったという。
ジェームズ記者は平壌市内でタクシーに乗った。下車時のメーターの料金は4ドルだった。ドライバーに20ドル札を手渡し、北朝鮮ウォンでお釣りを要求した。
ドライバーは、13万北朝鮮ウォンのお釣りを返したが、嫌がっている様子だったという。同行した案内員(ガイド)の目の前で、本来外国人が使えないウォンを渡すことを嫌がったわけではない。単純に「札の枚数が多くなり面倒」だからだった。
こうした状況を解消するためには、単純に高額紙幣を増やせばいいのだが、まともな金融システムも税金制度もなく、さらに銀行も信用されていない北朝鮮では、一度発行された通貨は国庫に戻るず、国内市場をさまよい続ける。
また、ただでさえハイパーインフレの今の状態では、紙幣のさらなる発行は北朝鮮ウォンの価値下落とインフレを招き、次から次へと新たな高額紙幣を発行し続けなければらない。人民元を通貨にする方法もあるが、プライドの高い北朝鮮がそれを許すとは到底思えない。闇レートと公式レートの80倍という「不都合な真実」は北朝鮮経済の足を引っ張り続けるだろう。