北朝鮮、闇レートは黙認…高級百貨店に日本製のシャープのTV (1/2ページ)

デイリーNKジャパン

北朝鮮、闇レートは黙認…高級百貨店に日本製のシャープのTV

北朝鮮の通貨レートには2種類ある。公式レートと闇レート(実質レート)だ。

今年、平壌を訪れた外国人観光客のAさんによると、外国人客がよく利用する羊角島国際ホテルでは500ミリリットルの炭酸水に60ウォンの値札が付けられており、レジで支払ったのは中国人民元で3.5元。おおよそ「1ドル=105ウォン」の公式レートで計算されたことになる。

一方、Aさんがホテルを一人で抜けだして、現地の北朝鮮住民もつかう市中のお店で菓子パンを買おうとしたところ、店員から4000ウォンと言われた。北朝鮮ウォンがなかったので中国人民元5元札で支払うと、2500ウォンのお釣りが支払われた。闇レート、つまり闇レートで5元は約6500ウォンだ。10月の闇レートは「1ドル=8,600ウォン」。公式レートの実に80倍以上になる。

Aさんのケースでわかるように、外国人に対してホテルや観光地の売店では公式レートが適用され、一般商店で買い物をした場合は闇レートが適用される。ただし一般商店での買い物は、案内員(ガイド)にバレないようにしなければならない。

ところが、最近平壌を訪れたロイター通信の記者は、ガイド同行の元に闇レートでの買い物を許されたと同社が報じている。

ロイター通信のジェームズ・ピアソン記者が訪れたのは平壌の普通江(ポトンガン)百貨店。金正日政権時代に作られた高級百貨店で主に幹部やドンジュ(金主、新興富裕層)が利用している。

店内には化粧品、雑貨から最新家電に至るまで様々な商品が販売されており、値段はすべて、米ドルと北朝鮮ウォンの闇レート(1ドル=約8,000ウォン)で表記されている。

例えば、日本製のシャープのテレビは1126万北朝鮮ウォン/1340ドル(日本円で約16万3000円)、エアコンは378万ウォン/450ドル(日本円で約5万5000円)、ポンプは252万北朝鮮ウォン/300ドル(日本円で約3万6000円)、牛肉1キロは7万6000北朝鮮ウォン/8.6ドル(日本円で約1040円)、北朝鮮製のLED電球は4万2000ウォン/5ドル(日本円で約607円)だ。

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