「覚書」や「念書」を守らなかったらどうなる?

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会社の業務では当たり前のように使われている「契約書」。個人でもアパートを借りるときや、高額な買い物をする際に利用され、印紙や割り印、独特な言い回しの文面をみて「違反したらタイヘンなことが起きそう」と思うひとも多いだろう。


「覚書」や「念書」を守らなかったらどうなる?
世の中には覚書(おぼえがき)や念書(ねんしょ)も存在するが、これらを守らなかったらどうなるのか? 「契約」の文字がないので「さほど重要じゃない」と思われがちだが、題名の違い意味を持たず、法律的には契約書とまったく差がない。「契約書じゃないから」と安易な気持ちでサインしてしまうと、とんでもない義務をしょい込むこともあるのだ。

■タイトルよりも「実態」が優先
覚書はその名から「忘れないように」的なイメージが強いが、本来は契約書をかわす前の段階で用いられるもので、双方がすべき内容や合意事項を確認する意味で作成される。たとえば、
 ・A … 毎月〇〇円で、Bに仕事を依頼する
 ・B … 依頼された仕事の成果をBに納める
などだ。

対して念書はものを弁償する際などに使われ、
 ・AはBの治療費を支払う
と、一方がおこなうべき内容を記したものが一般的だ。
どちらも「契約」の文字は使われていないし、契約書にはみられる印紙も必要ない。そのため大した効力はないと思われがちだが、タイトルが覚書でも念書でも、署名/捺印すれば「必ず実行します」と約束したことになる。契約書と書かれていなくても、一方的に破棄することは許されないのだ。
契約書じゃないのに、なぜ破棄できないのか? 重要なのは書類の名称ではなく「内容」で、合意のもとで記された「約束ごと」には、果たす義務が発生するからだ。かりにタイトルが覚書でも、契約書と呼ぶべき内容であれば、印紙を貼り付けて「契約書」に格上げされることもある。
もし一方的に破棄し、記された内容を実行しないと、
 ・民法・414条(履行の強制)
 ・民法・415条(債務不履行による損害賠償)
などで、裁判所から「実行しなさい」と命じられたり、賠償金を請求される可能性もある。覚書、念書、念証など呼び名は異なっても、内容によってはまさに「契約書」なものもあるので、署名を求められたときは、タイトルではなく中身に注意しよう。

■口約束でも契約成立!
覚書も契約書もない「口約束」はどうなるのか? 多くのひとが「書類がないなら守らなくてもOK」と思うだろうが、なんと法律的には有効と判断される。
契約の基本は「双方の合意」で、契約書などはあとでモメたとき用の証拠と呼ぶべきだろう。これは諾成契約(だくせいけいやく)と呼ばれ、もっとも身近なところでは、
 ・客 … これいくらですか?
 ・店員 … 税抜き500円です
 ・客 … じゃあ2つ買います
のようなお店でのやりとりがこれに該当し、合意すれば契約したことになる。
証拠の残らない口約束では、あとでモメるのは当然だが、
 ・会話の録音
 ・メールでのやりとり
なども充分な証拠となり得る。覚書や契約書がなくても合意に至れば契約成立となるので、できそうもないことは口にしないほうが身のためだ。

■まとめ
 ・タイトルが覚書や念書でも、「契約書」と同じ効力を持つ
 ・署名/捺印したあとは、一方的に破棄できない
 ・双方が合意すれば、口約束でも「契約」したことになる

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