再生する命の物語を、復興に歩む東松島の森から日本の未来へ。 (2/2ページ)
2年が経った今では、すっかり屋根は苔むし草花に覆われ、背面の山と一体化している。よく見ると、このツリーハウスに使われている木材には、枝ぶりそのままが使われている。
ニコル氏は言う。「自然界に直線はない。無理に枠にはめてしまい、まっすぐに伸ばしたり削るから弱くなる」。
木のありのままの曲線を生かしたツリーハウスは、教育のあり方そのものを示してもいるのだ。
このツリーハウスを拠点に、子供たちは遊びや田んぼ作りや自然観察などを通じて、多様な生き物との付き合い方や、人も含めた自然界の大いなる命の営みを肌で感じている。

2014年に製作した「馬のひづめの展望デッキ」。森から海や、新たにできる街を見わたすことができる。画像提供/アファンの森財団
■ 森から命を考える「学びのモデル」を全国へ。
2014年は森から海を臨める『馬のひづめの展望デッキ』を制作し、2015年は森と対話する『サウンドシェルター』が完成した。
東松島市の要請を受けたとはいえ、NGOなので予算が潤沢ではなく、スポンサー探しや様々な設備を作る上での材料集めなど課題は山積している。
製作には、このプロジェクトに賛同する早稲田大学古谷誠章研究室の学生が、構想から設計、施工とすべてを手がけ、仮設住宅に泊まり込みながら、子供たちや地域の方々とともに汗を流し造り上げている。

2105年度製作した森と対話する「サウンドシェルター」。
『森の学校』のカリキュラムや森のメンテナンスなどを総括し、いずれは地元の人々に手渡すまでが財団の役割だ。
東松島市で成功させれば、全国の森の再生、そして人と街の復興モデルとなるだろう。
海の過去と新しい街の未来が見渡せる東松島市の『森の学校』から、子どもたちの明るい笑い声が響く日が、1日も早く来ることを祈りたい。
【参考・画像】
※ 一般財団法人 C・W・ニコルのアファンの森財団
※ アファンの森震災復興プロジェクト