今年93歳の女性が長い人生経験から語る「つらいときの対処法」 (2/2ページ)
ネガティブな想いではなく、「前世から抱えている問題が、解消されるために現れたのだ」と固く信じ、それを感謝の気持ちに切り替え、「これでよくなる」と思う努力をすべきだというのです。
そして著者はここで、永遠のベストセラーといわれている聖書のフレーズを引用しています。
それは、「神は耐えられないほどの試練は与えない」というもの。
しかし、そういうものを「与えられる」と、人は逃げたくなるものだということは著者自身も認めています。
ちなみに個人的には、こういう話題を出しながらも、特定の宗教の考え方に偏りすぎないところに著者の魅力があると感じました。
それはともかく、著者はここでひとつの提案をしています。
そんなときには、「身近に起こるマイナスの事象は、自らが決めたレベルアップの手段で、すべて自分で解決できるはず」と解釈してはどうだろうかというもの。
そうすれば、どんなにつらくて悲しいことでも、感謝の気持ちに変わっていくのではないかと記しているわけです。
■つらさは「必要な学習」と思えば乗り越えられる
とはいえ著者自身も、このように認識できるようになるまでには時間がかかったのだそうです。
けれど、うまくいかなくても繰り返し、次のように思っていたのだといいます。
「どんなことにも逃げず、誠実に取り組むことにこそ意味がある。もしも自分の期待どおりにいかなかったとしても、自分に必要な学習」
たしかにこう考えてみれば、つらさを乗り越えられそうな気がします。事実、著者も次第に、そのように受け止められるようになっていったのだといいます。
「なぜいま、自分はこういう事態を引き起こし、自分になにを学ばせようとしているのか?」
そう考えて向き合うと、失敗もありがたく感じ、自然と事態も好転していくもの。
自分に縁のないものは決して起こらない。
そういった人生の仕組みを知れば、つらく苦しい時間も、魂を磨く大切な一時として、ありがたく思えてくる。
著者はそう記しています。
もちろんそれは、悩みの渦中にいる人にとっては簡単に共感できるものではないかもしれません。しかし、だからこそ、あえて受け入れる強さを持つ。結局のところ、そういう姿勢が大切だということなのではないでしょうか?
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キリスト教の考えをベースにしながらも、広い視野でものごとを見ている。そんな著者の姿勢は、多くの人の共感を呼ぶはずです。
悩んでいる人、つらい人は、手にとってみるといいかもしれません。
(文/書評家・印南敦史)
【参考】
※鮫島純子(2015)『なにがあっても、ありがとう』あさ出版