生涯ライオンズ…「独特の美学」を貫いた西口文也のプロ野球人生 (3/3ページ)

デイリーニュースオンライン

 そう考えると、西口文也は正しく「己を見つめた」わけだ。

「メジャーへの憧れはなかった」「食文化が合わない」と答えた西口は、続けて独特の美学を口にした。「抑え投手が打たれずにいれば、目標のひとつだった200勝は楽に達成できましたね」という問いに、引退を覚悟した西口はこう答えている。

<(勝ちを消されても)なんとも思わない。後ろは後ろで大変なのはわかっている。自分がランナーを残して降板し、後ろの人が抑えてくれて勝つこともあるので“持ちつ持たれつ”だ>

 晩年は200勝へのカウントダウンが始まったこともあり、リリーフ陣が打たれて勝ち星が消えるたびにファンはヤキモキした。

<(打たれた人に言いたいのは)打たれたとしても、それを反省すればいいだけで、引きずるのは絶対によくない。特にプロ野球のシーズンは長く、映像を振り返って修正点を見つけたり、配球を考え直したりして気持ちを切り替えることが大切。失敗は成功につながるんだ>

 3年連続未勝利ながら、西武が西口を誰よりも大事にしたのは、チームの雰囲気やチームメイトの気持ちを、誰よりも考えてくれるからである。必ずや、いい指導者になることだろう。

 自分のことばかり考える若者が増えているが、野球というチーム競技で育った一人の投手。彼の言葉は、今の世間に、どう響くことだろう。

(文/後藤豊)

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