パリ同時多発テロに見る、ソーシャルメディアの意義と課題 (2/2ページ)
■ 情報チャネルとしてのソーシャルメディア

インターネットにさえ接続できれば、誰もが参加でき、情報を同時かつ多方向に共有し合えるソーシャルメディアは、緊急時の情報チャネルとしても、その地位を確立しつつある。
ツイッターでは、情報チャネルとしての機能をさらに拡充すべく、2015年10月、ツイッター上で話題の情報をまとめてチェックできる『Moments(モーメンツ)』を米国で導入した。
有力紙『ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)』や『ワシントン・ポスト(The Washington Post)』、ニュース専門放送局『FOXニュース』ら、大手メディアも、この新機能と提携。
情報の即時性や拡散性に優位なソーシャルメディアが、新聞・テレビといった既存メディアを補完する役割を担いはじめている。
しかしながら、信頼性や正確性が担保された情報を整理し、わかりやすく伝えるマスメディアに比べて、誰もが情報の発信者となりうるソーシャルメディアは、誤った情報やデマが拡散しやすい。
それゆえ、情報を正しく見極め、冷静に取り扱うことが、より強く求められている。
■ 世界の「平場」としてのソーシャルメディア
パリ同時多発テロ事件では、凄惨な事実が明らかになるにつれて、『#PrayForParis』、『#JeSuisParis』といったハッシュタグとともに、犠牲者を悼むメッセージやフランスとの連帯を呼びかける投稿が、世界各地から数多く寄せられてきた。
その一方で、過激派組織イスラム国(IS)と事件との関係が取りざたされる中、イスラム教徒に対する排斥や差別を懸念する声も、少なからず発信されている。
つまり、ソーシャルメディアは、緊急時の通信手段であり、情報チャネルであるのみならず、文化や習慣、思想、信条などの違いを超えて、多種多様な声が世界中から集まる“平場”でもあるのだ。
ソーシャルメディアでは、誰もが等しく、情報の発信者であり受信者。
それゆえ、異なる価値観にも謙虚に耳を傾け、理解し合おうという姿勢や、多様性を受け入れる寛容さが、今、私たち一人ひとりに、問われている。
【参考・画像】
※ Facebook Safety
※ Moments, the best of Twitter in an instant – Twitter