崔龍海氏は冷酷無比な「金正恩式粛清政治」の犠牲となるのか (2/2ページ)

デイリーNKジャパン

朝鮮人民軍総政治局長という軍を統括する地位を与えたり、特使や代表団として中国や韓国へ送ったが、目立った成果を収めたわけではない。

ちなみに、今回の粛清とは関係ないと見られるが、今年7月に崔龍海氏の甥と見られる男性が韓国で「オレオレ詐欺」で逮捕されるという事件が起きている。

金正恩氏が、政治的にも、または人間関係的にも崔龍海氏は除去すべきと判断する要素は十二分にあるのだ。さらに、この間の崔龍海氏の処遇を見ているとちょうど2年前の粛清事件を思い出す。

正日氏の実妹の夫、すなわち金正恩氏の叔父である張成沢(チャン・ソンテク)氏の粛清・処刑だ。

2013年12月9日、張成沢氏の解任が明らかにされ、その4日後の13日には処刑されたことが北朝鮮国営メディアによって明らかにされる。唐突な粛清・処刑のように見られるが、その一カ月前からデイリーNKは内部情報筋の証言から「張成沢の影響力が弱まった」という情報をキャッチしていた。

金正恩氏は、過去の経歴や評価に限らず、切る時は切るという冷酷無比な粛清政治を行っている。それは、金正日氏がお膳立てした李英鎬(リ・ヨンホ)元総参謀長(2012年に粛清)や張成沢氏(2013年12月に処刑)、そして今年4月に高射砲で銃殺された玄永哲元人民武力相の例を見れば明らかだ。

現在のところ、北朝鮮国営メディアから崔龍海氏の処遇に対する具体的な報道や告知は一切ない。しかし、2年前の「張成沢粛清事件」のように、数ヶ月後に電撃的に粛清と処刑を明らかにするという可能性はなきにしもあらずだ。

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