崔龍海氏は冷酷無比な「金正恩式粛清政治」の犠牲となるのか (1/2ページ)

デイリーNKジャパン

崔龍海氏は冷酷無比な「金正恩式粛清政治」の犠牲となるのか

11月7日に死去した李乙雪元帥の国家葬儀委員に名前を連ねず、粛清説が囁かれている金正恩第1書記の側近だった崔龍海(チェ・リョンヘ)氏だが、「革命化教育」を受けているという説が有力だ。

革命化教育とは、農場や炭鉱、工場などで一定期間の労働を通じて反省させる思想教育という名目の処罰だ。だとすると場合によっては釈放され復帰の可能性も残されており、首の皮一枚が繋がっている状態といったところだが、果たして復帰できるのだろうか。実は、崔龍海氏は過去にも革命化処分を受けている。

崔龍海氏は1994年にも不正事件で降格された。2004年には、これも不正事件で革命化処分を受けたが復帰。彼を知る複数の情報を照らし合わせると、北朝鮮一のブランド好きで派手な生活を好むタイプとのこと。こうした人間性が度重なる不正事件を引き起こしたようだが、それだけではない。

権力を盾にして美貌の芸能関係の女性を性の玩具にするなどのスキャンダラスな醜聞に濡れたことすらあるのだ。それでも、復活してきたのは北朝鮮の支配階層のパルチザン出身者で故金日成主席の盟友でもあった崔賢(チェ・ヒョン)氏の息子だったからだ。

こうした経歴から、今回も数ヶ月の革命化教育を経て復活するだろうと見られているが、筆者は崔龍海氏が処刑される可能性は充分にあると見ている。

実は、崔龍海は昨年4月頃にも粛清説が飛び交った。元高級幹部の証言として「1ヶ月以上監禁されていた」という具体的な証言があった。筆者も時期や状況など、ほぼ一致する内部情報をまったく別のラインから聞いたことがある。

また、彼に対する過去の革命化処分は、故金日成氏、正日氏時代に受けたものだ。金正日氏は、崔龍海氏を革命化処分したが、兄弟のように仲がよかったという。つまり、パルチザン家系というだけでなく、金正日氏の温情まじりの復帰だったと言える。

しかし、金正恩氏は正日氏ほど崔龍海氏と仲がいいわけではない。少なくともこの数年間の二人の様子を見る限り、崔氏が正恩氏に必死でゴマをすってなんとか取り入ろうとする様子が見て取れる。一方、金正恩氏は先述のように一度粛清直前まで追い込んだ。

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