時間が空くと菌が増殖! ペットボトルの「口飲み」はキケンってほんと?

学生の窓口

多くのひとが毎日使っている「ペットボトル」。一日かけて「口飲み」するのはいまや当たり前になっていますが、病気の原因になるのはご存じでしょうか?

口飲みしたペットボトルにはだ液を介して菌が侵入、15℃で保存しても5時間後には16倍にも繁殖するというデータがあります。菌によって飲み物が「発酵」し、発生した二酸化炭素でペットボトルが破裂したケースもあるので、長時間かけて口飲みしているひとは注意が必要です。

■自分の「だ液」が病気のもと?

いまや飲み物の定番となったペットボトルは、飲みたい分だけ飲め、こぼさずに持ち運べる利便性が魅力です。コップを使わずに直接飲む「口飲み」が当たり前となり、学校でもオフィスでも1日かけてゆっくり飲んでいるシーンをみかけますが、じつはかなりキケンな行為。わずか数時間で菌の宝庫になってしまうからです。

「口飲み」のなにがキケンなのでしょうか? 自分しか飲まないからキレイ!と思われがちですが、残念ながら口のなかでは多くの菌が暮らしているので、飲み物で培養しているようなもの。これらは口腔常在菌(こうくうじょうざいきん)と呼ばれ、普段は無害なものもいれば、食中毒の原因となる黄色ブドウ球菌などもいるので、自分のだ液とはいえ油断は禁物。病気の原因になりかねないのです。

どんな飲み物に繁殖しやすいのでしょうか? 15℃で保存したミネラルウォーターとお茶内の菌を比較すると、

 ・ミネラルウォーター … 16倍(5時間後) / 51倍(20時間後)

 ・お茶 … 12倍(5時間後) / 23倍(20時間後)

お茶=カテキン=抗菌のイメージに反して、菌を抑える効果はほとんどありません。36℃になると、20時間後には約470倍に増えたとのデータもあるので、冬でも暖房の効いた部屋では安心とはいえません。

これはミネラルウォーターやお茶が「ほぼ」中性なのがおもな原因で、果汁、乳酸、スポーツ飲料は酸性なため菌を減らしたデータもありますので、気になるひとはこれらを選ぶと良いでしょう。

■ケガの原因は「飲み残し」

なかには「口飲み」が原因でケガをした例もあります。混入した菌が飲み物を発酵させ、そのときに生じた二酸化炭素でペットボトルが破裂したのです。

原因は酵母(こうぼ)で、これが食品を分解しアルコールなどを作る作用を「発酵」と呼び、この過程で大量の二酸化炭素を発生し、逃げ場のなくなった二酸化炭素はペットボトルを破裂させてしまうのです。

どうして酵母が混入したのでしょうか? もっとも起きやすいのは「食事」で、味噌を始め酵母を使った発酵食品は山ほどあるので「口飲み」で移ったとしても不思議ではありません。また、パンに使われるイースト菌も同じ働きをするので、食事+口飲みはオススメできません。

発酵や腐敗には時間がかかるので、口飲みしたからといって、すぐに破裂するわけではありません。少しでも飲料が残ったまま放置し、数日経って捨てようと思ったときに破裂したケースがほとんどですので、

 ・飲み残しはすぐに捨てる

 ・キャップで密閉「しない」

すれば破裂の可能性は「ほぼ」なくなります。

長期間「放置」しておくのが真の原因ですので、ひとり暮らしのひともため込まず、収集日ごとに捨てるよう心がけてください。

■まとめ

 ・ペットボトルを「口飲み」すると、菌の宝庫になる

 ・15℃で保存しても、20時間後には50倍も増えたデータがある

 ・ほぼ中性のミネラルウォーターやお茶は、菌が急速に繁殖する

 ・酵母やイースト菌によって、ペットボトルが破裂する事故も起きている

(関口 寿/ガリレオワークス)

「時間が空くと菌が増殖! ペットボトルの「口飲み」はキケンってほんと?」のページです。デイリーニュースオンラインは、ライフハック科学調査健康病気社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る