太鼓を打つ男  林英哲 #3 太鼓なんて、好きじゃなかった (1/2ページ)

fumufumu

太鼓を打つ男  林英哲
太鼓を打つ男  林英哲

「本当は太鼓なんて、好きでもなんでもなかった」という言葉に、びっくり。
 実は英哲さん、画家になりたかった人なのだ。12歳のときにドラムを練習し始め、エレキバンドを組んだことがあるけれど、一番好きなのはアート。美術学校に通っていた頃、太鼓集団の主宰者に誘われ、一時的な助っ人のつもりで参加したのが始まりだという。社会との接触を禁止され、グループで太鼓修行。とはいえ、専門家が教えてくれたわけではないので、演奏方法は自分で編み出すしかなかった。数年後には海外公演が実現し、林さんは日本の太鼓を新しい解釈で現代のパフォーマンスに作り上げた。
 しかしグループはその後崩壊し、二転三転した後、30歳を目前に英哲さんはグループ活動を停止。ひとりで活動することになったのだ。

「今もアートに触れていると心が落ち着きます。居心地が良いのは太鼓のそばじゃなく、美術館なんですよ。だから感覚としては絵を描くように、太鼓を打っているのかもしれません。ビジュアルにイメージがあって、キャンバスを筆でタッチしているような感覚がどこかにある。みなさんには同じ音にきこえるかもしれないけど、何種類かの音を打ち分けて出すようにしてます。以前、イギリスの指揮者とやったとき、彼は打楽器出身の人だったので、すごく喜んでくれました。あのバチであの高さであれだけ音色を打ち分けるのは信じられないって。やったことのある人は、わかるんです(笑)」

出演:林英哲(はやし えいてつ)

1952年広島県生まれ。71年『佐渡・鬼太鼓座』の創設に参加。トッププレイヤーとして活動後、81年『鼓童』創成期の演出を担当。82年太鼓独奏者として活動を開始。84年にNY・カーネギーホールデビュー。2000年にはベルリン・フィルと共演。近年では和・洋器楽奏者や伝統芸能の能・歌舞伎等の囃子方、歌舞伎舞踊やコンテンポラリーダンス、バレエのプリンシバルなど、若手アーティストとの共演も多い。今もなおパイオニアとしてジャンルを超えた世界のアーティストやオーケストラと共演しながら、太鼓の新しい音楽を創造しつづけている。CD、DVDなど多数。
近著に『太鼓日月 独走の軌跡』(講談社刊)ほか。

「太鼓を打つ男  林英哲 #3 太鼓なんて、好きじゃなかった」のページです。デイリーニュースオンラインは、女子などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る