【テロ対策】「国際対テロ情報収集ユニット」で国民を守れるのか (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

テロ担当の「ソトサン」はわずか140名しかいない?

 拠点も官邸の真向かいの内閣府ビル6階の1か所しかなく、CIAのように何万人ものエージェントを擁し、国内だけでなく、世界中に支局を張り巡らせているわけではないから、その情報収集能力には大いに疑問符がつく。米村氏も「人が変わりすぎる。日本の官僚制の通弊だ。外国のインテリジェンス機関とは、お互いに長い付き合いをしないと、本当の意味での情報交流ができない。今度設置される『国際テロ情報収集ユニット』の課題もそこにある。諜報要員に向いている人材を、その人の生涯をかけて育成し、活用すべきだ」と指摘するが、それには戦前の「陸軍中野学校」のような本格的な情報要員の養成機関が必要だろう。

 また公安調査庁は破壊活動防止法に基づき主として共産党や中核派などの極左集団、オウム心理教のようなカルトを対象とするが、訓練を受けた外国の工作員を相手にするのはやはり荷が重い。

 一番頼りになるのは約2000名を擁し、「日本最強のスパイ機関」とも言われる警視庁公安部で、外事1課から3課まであり、1課は主にロシア・東欧、2課は北朝鮮と中国を担当する。そして3課(通称:ソトサン)が国際テロの情報収集担当だ。警視庁は「ソトサン」の組織の概要も捜査員の数も公表していないが、約140名程度と推定される。その手法も約10万人と推定される在日イスラム教徒についての調査で、都内のモスクに行って、指導的役割を果たす人物を調べたり、アラブ料理店のオーナーの素性を洗い出すといった地道な作業がメーンだ。いずれにせよ、本格的なテロ対策としては手ぬるすぎよう。

 日本の情報機関の最大の欠陥は内閣、法務省、警察庁などに分散し、互いの縄張り根性も手伝って、情報の共有が難しいことにある。小規模で貧弱な「国際テロ情報収集ユニット」などでお茶を濁そうとせず、早急に内閣情報調査室と公安調査庁、警察の公安部を統合し、米国のCIAや英国のMI6、ナチス戦犯を地球の果てまで追いかけて裁判の場に引き出したイスラエルのモサドに匹敵する本格的な対外情報機関を設けるべきであろう。

朝倉秀雄(あさくらひでお)
ノンフィクション作家。元国会議員秘書。中央大学法学部卒業後、中央大学白門会司法会計研究所室員を経て国会議員政策秘書。衆参8名の国会議員を補佐し、資金管理団体の会計責任者として政治献金の管理にも携わる。現職を退いた現在も永田町との太いパイプを活かして、取材・執筆活動を行っている。著書に『国会議員とカネ』(宝島社)、『国会議員裏物語』『戦後総理の査定ファイル』『日本はアメリカとどう関わってきたか?』(以上、彩図社)など。最新刊『平成闇の権力 政財界事件簿』(イースト・プレス)が好評発売中
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